本日を持ちまして「黒獣ダンジョン殺人事件」の全編の投稿が完了したことをご報告いたします。「フジタイツキに告ぐ」の完成から企画に一か月、制作に三か月を要した、計四か月のプロジェクトが完了です。前作が最後のアイディア勝負な作品であったため、私としては初めての本格ミステリーのセオリーに沿った作品です。未読の方も（10万字という気が遠くなる文量ではございますが）読んでいただけると幸いです。

　手前みそな話になりますが、展開にアドリブを利かせつつなんとか形にすることができたと考えております。一方で問題点も山積みであると感じていて、キャラクターのブレ、起承転結のまとまりの悪さ、そもそもの文体が読みづらいなど、至らぬ点ばかりが浮かび上がりました。ですが改善点がまったく見つからず行き詰るよりは結構なことだと野心的に捉え、今後も制作活動に注力していく所存です。

　ネット小説という媒介自体がミステリージャンルの根付かない土地であり、思ったより手ごたえを得られない所感です。加えてミステリーをあくまで要素として扱う世界で、推理に腰を据えた本格ミステリー作品そのものがあまり見つからない現状。切磋琢磨する相手がいないというのも寂しいものです（切磋琢磨とは名ばかりで、本当は嫉妬心を執筆の原動力に変えようとしているのですが）。私は読むスピードが速くないため追いかけられていませんが、可能な限り本格推理もののネット小説も読んで勉強したいと考えております。作品を閲覧していただいた皆様、そしてアルファポリス運営様、今後ともよろしくお願いいたします。

空　陣内