久浄 要

久浄 要

 推理小説が大好きです。  小学生の頃から学校の図書室は宝の山でした。ドキドキ、ワクワクしながら読む、あの頃の興奮を作品を通して読者の皆様にもお届けできたらと思います。よろしくお願いします

『隅の麗人』後書き・3

 ここで今後のシリーズの方向性について少し触れておきたいと思います。書き手側にとっては言わずもがなですが、ミステリーには幾つもの型があり、先達のあらゆる秀逸で重厚な作品群のように、ライトなものからマニアックなもの、難解なものや結末の後味の良さや悪さなども含めて、ミステリーは実に自由でバラエティーに富んだ表現が許された文学であると考えています。

 本作ではミステリーの不変のテーマであるところの死体に主眼を置き、七つの大罪の名に準えて物語が展開し、ガチガチの本格モノの複層的な謎解きに挑戦して頂く“死体シリーズ”。

 第二話のような作中作や暗号やミッシングリンクといったバラエティー性に富んだ謎解きに挑戦して頂くタイプのミステリー。

 そして、第三話のような登場人物達による駆け引きや心理戦、バトルやアクションやドラマ性を重視したタイプのナンバリングに関するミステリーと、それぞれのパートでテーマやミステリーの型、そして謎や物語の傾向をハッキリと分けているのが特徴です。

 ワトソン役の東城達也を記録係に据えハードボイルド風な西園寺和也というアクの強い刑事や警察組織を用い、名探偵と物語の展開を楽しむ伝統的なスタイルを踏襲してはいますが、シリーズ作品としては最初からライト層向けに配慮した作品にはなっておりません。

 食中りを起こしかねない長大な作品となってしまいましたが、無事読者の皆様の胃袋を満足させられたか否か、きっちりとストライクゾーンに収まったのか、やり過ぎのビーンボールで作者が退場となってしまうかどうか、作者としては甚だ不安ではありますが、感想や評価等お待ちしております。

 また、本作の執筆にあたり、素人作家の無茶な要望を快く聞いてくださり、本作の素敵なカバーイラストを描いてくださったイラストレーターの歩いちごさんには、この場を借りて篤く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

 長丁場に渡って連載して参りましたが、最後にここまで読んで支えてくださったすべての読者の方々へ。改めまして最大級の感謝を込めてこの作品を捧げます。本書を読んでくださった全ての皆様にアマリリスと赤煉瓦の大いなる祝福があらんことを…。

 また次回作でお会いしましょう。

2024年7月
久浄 要
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登録日 2024.07.20 10:28

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