『ラズーン』第二部 7.『晶石の谷』(7)(個人サイトでアップ)。
「!」
角を曲がってきた相手に、アシャは息を呑んだ。それは他の誰でもない、ソクーラの『貴婦人』の弟、エタ王子の姿だったのだ。
ぎょっとした顔でこちらを振り向くイルファを眼で制して、アシャはエタの様子を見守った。
放心しているふうではない。明らかに自分の意志でここへやってきている。
エタは二人が身をひそめている岩の少し先のところで、知っていなければ、それとはわからないだろう、小さな裂け目に入っていく。
「…アシャ」
明かりの揺らめきも裂け目に吸い込まれ、辺りが元の薄暗がりに戻ると、イルファが不審そうな声音で尋ねてきた。
「どういうことだ? なぜ、あいつがここにいる?」
「わからん」
角を曲がってきた相手に、アシャは息を呑んだ。それは他の誰でもない、ソクーラの『貴婦人』の弟、エタ王子の姿だったのだ。
ぎょっとした顔でこちらを振り向くイルファを眼で制して、アシャはエタの様子を見守った。
放心しているふうではない。明らかに自分の意志でここへやってきている。
エタは二人が身をひそめている岩の少し先のところで、知っていなければ、それとはわからないだろう、小さな裂け目に入っていく。
「…アシャ」
明かりの揺らめきも裂け目に吸い込まれ、辺りが元の薄暗がりに戻ると、イルファが不審そうな声音で尋ねてきた。
「どういうことだ? なぜ、あいつがここにいる?」
「わからん」
コメント 0件
登録日 2017.08.23 19:41
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。