segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第二部 6.『風の申し子』(5)(個人サイトでアップ)

(ああ、また雪白(レコーマー)が鳴いている)
 与えられた一室、横になるとそのまま吸い込まれていきそうになるベッドで、ユーノはうつぶせに身を沈ませ、ぼんやりと考えている。
 四肢から力を抜き切ろうとしても、心のどこかに緊張が残っていて、もし誰かがいきなり部屋に入ってこようとすれば、瞬時に側にある剣に手が伸びるだろうとわかっている。
『剣を、ですか?』
 ミノの不審そうな声が耳に戻ってくる。
『ここは安全ですのに』
 幼い顔立ちに微かに浮かんだ怒りは、客人が見せた主人への警戒に対するもの、敬愛する主の支配下で安らげないと伝えられるのは、主を貶められるのと同じだと伝えている。
(ごめんね、ミノ)
 ユーノは心の中で謝った。
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登録日 2017.08.12 13:00

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