トイレのドアを外側から軽くノックされたようなそんな気がして、なんだかその音から妙に畏怖みたいなものを感じたのだけれども、おそるおそるドアを少しだけ開けてみると、ドアの前には誰もいない。おかしいな？と、思い、あとで聴いてみたら、廊下を通る際、（お）買い物から帰って来た母親が、持って帰って来た荷物をコツンとちょっとぶつけてしまっただけらしい。それにしても、母親を苦しめていたあの難病は既に完治してしまったようだ。そうでなければ、要介護度マックスで外出など到底 無理なはずである。况てや、（お）買い物など。また、そのことを口にすると、病は気から；ＥＸＴＲＩＮＥ（ヌーノ・ベッテンコート）母親はそのことを急にふと思い出して、我に返ってまた元の木阿弥 ＩＮ ＭＹ ＬＩＦＥ ！歩けなくなってしまうのではないか？というようなおそれが脳裡を掠めそのことは、決して、口にしないようにしようと心に誓った。そしてまた、他人から教えてもらったオススメの飯屋というものは、それがどんなに美味しくなくとも、それを教えた奴がどんなにいやな奴だったとしても、また、それが糞飯だったとしても、必ず、それは、なんとしてでも美味しかった！たいへん美味しゅう戴きました！（若しくは、たいへん麗しゅうございました！）と 答えるのがそれが人間として最低限のマナーであり、礼儀であり、作法であり、人の生きる道だろ？そう答えるのが、一般常識だろう？と、母親が入院中、担当の看護師に教えた飯屋のメシについて、その看護士から 全然 美味しくなかったと言われたことにかんして、俺がそのときに言えなかったことを、今頃になって悔やむ。そして、俺は庭に這い出て、地面に落ちていた枯葉と枯枝を器用に使い、俺は、そのときの様子を華麗に再現、枯葉を建物に見立て、枯枝で人間の様子を描いていた。