あなたなんて、わたしを馬鹿にする嫌なやつ、大っ嫌いだと思っていた……。
　あなただって、顔を見たくないほど、わたしのことが嫌いだった。

　なのに……、わたしの手を握りしめて、毎日ずっと隣にいてくれるんだもの。
　あなたのことを、好きにならない。
　……そんなこと、出来るわけなかった。

　空っぽな、わたしにとっては、あなたの横が唯一の居場所だった。
　だから……自分とは全く違う立場のあなたの気持ちを考えずに、ふたりが元に戻りませんようにと……、心から願っていたの。

　だけど、そんなわたしの気持ち以上に、……あなたが大切だったから……。
　あなたから離れることを願った。

　もう、あなたに会えない。
　……それに少しも後悔はない。

　だけど、少しだけある心残り……。
　あなたが、俺に惚れるなと言うから、本当のことを最後まで伝えられなかった……。

　……さようなら。
　あなたのことが大好きでした。


　
　完結なので、冒頭のSSを変更しています。
　本編完結のあとは、予定では２話で完全な完結となります。
　ここまでお読みいただいた読者の皆様、本当にありがとうございます。