思えば野栗は中学時代以来「お話」の類を書くことから遠ざかっていました。高校時代以後に書いたものといったら、毒にも薬にもならない挨拶文か、ガチガチコチコチの味も素っ気もない報告文オンリーで、まさかオンラインゲームがきっかけでバカバカしい妄想をこんな形で爆発wさせるとは、思ってもみませんでした。
高校野球ネタなので覚悟はしていましたが、行間に容赦なく漂う家父長制、シスへテロ、ルッキズム、そして怒涛の優生思想！我ながら読み返す度に噎せ返っています(おえー)。書いていて、自分が如何にこれほどまでに、こういうものを前提に生きてきたかを突き付けられる思いです。これらがどれほどこの社会の中で声を奪われてきた存在を脅かしているか、その凄まじい加害性を嫌と言うほど目の当たりにし、味わわされているはずなのに。

前言とは大きく矛盾しているのですが、ゲームや二次創作的なコンテンツをちゃっかり楽しんでいる立場からいうと、コンテンツに含まれる「毒」の要素を無視することはできない、そう感じる部分があります。同時に、その「毒」が誰を傷つけ、誰を追いやり、誰から何を奪っているのか、それに鈍感であってはならないと思うのです。