segakiyui

segakiyui

『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第二部 4.視察官達(2)(個人サイトでアップ)。

 危うい足取りで近づいてくると、ユーノは崩れるようにベッドに腰を落とした。呼吸が弾んでいるのを必死に堪えてごまかそうとする。
(がたがたの体のくせに)
 だから、こういう手も使わざるを得ない。何食わぬ顔で薬入りのスープを差し出す。
 溜め息をついて、ユーノが中身を掬って一さじ一さじ呑み込んでいく。
「ん…おいし…」
 満足そうな甘い声が零れた。
「マノーダって料理がうまいんだね」
「ああ、ナストもそこに惚れたらしいな。三日手放しでのろけられていたから、どんな料理がどううまいか、俺でも説明できるぐらいだ」
「ふふ…っ」
 どこか寂しく響く声で笑って食事を終えたユーノが、ふわ、と小さなあくびを漏らした。
「あ…れ…」
コメント 0
登録日 2017.07.14 11:53

コメントを投稿する

1,000文字以内
この記事に関するコメントは承認制です

ログインするとコメントの投稿ができます。
ログイン  新規ユーザ登録

0

処理中です...

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。