『BLUE RAIN』16.CYANIC PERSON アップ。
右目の痛覚機能はシンパシーシステムに繋がっていたのと、中央回路に近かったせいで、切断に時間がかかった。
初期の分析で32区のジェシカB.P.のDOLLが損壊したのが確認できた。とりあえずは『グランドファーム』に回収を依頼する。
破壊は一瞬だった。
老夫婦がいつもの通りお茶を飲もうと準備していたら、たまたま通りがかったように頬のこけた金髪の男が現われて、周囲を囲っていた金属製の柵を引き抜き、DOLLに飛びかかったのだ。
悲鳴をあげて逃げる老人は、DOLLが身動きするまもなく地面に押さえつけられ、悲鳴に開いた口に男が股間を押し付けるのを見た。そのまま、男がのしかかって身動きを封じ、手にしていた柵でDOLLの右目を貫くまで、老人は悲鳴をあげるしかできなかった。
そして、その全てをDOLLの破壊を免れた中枢回路が記憶していたのだ。
「もう、よろしいのではありませんか?」
「いや」
「しかし」
「あんたにできることは終わった、もう行ってくれ」
「……では」
老婆のDOLLを抱えたまま、おそらくシーンが来たときから抱え続けているのだろう老人は、俺の右目に垂らしたうっとうしい前髪にも注意を払わなかった。
初期の分析で32区のジェシカB.P.のDOLLが損壊したのが確認できた。とりあえずは『グランドファーム』に回収を依頼する。
破壊は一瞬だった。
老夫婦がいつもの通りお茶を飲もうと準備していたら、たまたま通りがかったように頬のこけた金髪の男が現われて、周囲を囲っていた金属製の柵を引き抜き、DOLLに飛びかかったのだ。
悲鳴をあげて逃げる老人は、DOLLが身動きするまもなく地面に押さえつけられ、悲鳴に開いた口に男が股間を押し付けるのを見た。そのまま、男がのしかかって身動きを封じ、手にしていた柵でDOLLの右目を貫くまで、老人は悲鳴をあげるしかできなかった。
そして、その全てをDOLLの破壊を免れた中枢回路が記憶していたのだ。
「もう、よろしいのではありませんか?」
「いや」
「しかし」
「あんたにできることは終わった、もう行ってくれ」
「……では」
老婆のDOLLを抱えたまま、おそらくシーンが来たときから抱え続けているのだろう老人は、俺の右目に垂らしたうっとうしい前髪にも注意を払わなかった。
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登録日 2016.10.01 23:19
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