『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(3)アップ。
「ぼくだけだよ、ユーノのいばしょ、知ってるの」
「…」
アシャが目を細める。紫の瞳が揺らめく炎をたたえていて、まるで平原竜(タロ)と呼ばれる竜族の眼のようだ。冷酷なほど見定める眼差し、それに負けまいと唇を引く。
「ぼくだけだ」
アシャにもユーノの位置は掴めない。辿り着くまでに時間がかかれば、ユーノの危険は倍加する。意地だけでなく、気持ちだけでなく、今ここでレスファートはアシャに従う気にはなれない。
「わかった」
アシャが頷く。
「じゃあ僕達は、逃げ、ます!」
ナストが一瞬苦しそうにことばをとぎらせつつ、それでも一気に言い切って、なお振り返ろうとするマノーダをひきずるように、教えられた出口へ走り出す。
「来い、レス!」
「うんっ!」
まってて、ユーノ、今ぼくが行くから!
身を翻すアシャの足下で、レスファートは全力で走り始める。
「…」
アシャが目を細める。紫の瞳が揺らめく炎をたたえていて、まるで平原竜(タロ)と呼ばれる竜族の眼のようだ。冷酷なほど見定める眼差し、それに負けまいと唇を引く。
「ぼくだけだ」
アシャにもユーノの位置は掴めない。辿り着くまでに時間がかかれば、ユーノの危険は倍加する。意地だけでなく、気持ちだけでなく、今ここでレスファートはアシャに従う気にはなれない。
「わかった」
アシャが頷く。
「じゃあ僕達は、逃げ、ます!」
ナストが一瞬苦しそうにことばをとぎらせつつ、それでも一気に言い切って、なお振り返ろうとするマノーダをひきずるように、教えられた出口へ走り出す。
「来い、レス!」
「うんっ!」
まってて、ユーノ、今ぼくが行くから!
身を翻すアシャの足下で、レスファートは全力で走り始める。
コメント 0件
登録日 2017.06.29 10:10
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。