『ドリーム・ウォーカー』6.転生記憶(2)アップ。
道斗さんはトーストをすっかり食べてしまってから、席を立ち、コーヒーを淹れ直した。それと一緒に気持ちのどこかもいれかえたように、
「そのときに伊織が話してくれたのじゃ。どこへも行けない、何もできない人生を繰り返している者が、ずっと果てしなく永遠に『それ』を繰り返すのだと知ったら、自分をごまかし流されて、終わりが来るのをただ待っていることはしないだろう。死んでもまた同じことを繰り返し、同じ状況に引き込まれていくのだとわかれば、何かを少しは変えようとするだろう。そういう者のためにこそ、輪廻転生の思想は説かれたのだ、と。だから、時とところを得ない自分の記憶はむしろ不要で、誰の役にも立たないと…泣いた」
「そのときに伊織が話してくれたのじゃ。どこへも行けない、何もできない人生を繰り返している者が、ずっと果てしなく永遠に『それ』を繰り返すのだと知ったら、自分をごまかし流されて、終わりが来るのをただ待っていることはしないだろう。死んでもまた同じことを繰り返し、同じ状況に引き込まれていくのだとわかれば、何かを少しは変えようとするだろう。そういう者のためにこそ、輪廻転生の思想は説かれたのだ、と。だから、時とところを得ない自分の記憶はむしろ不要で、誰の役にも立たないと…泣いた」
コメント 0件
登録日 2017.06.14 09:43
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。