『ドリーム・ウォーカー』4.虹の向こうの雨(1)アップ。
「休みたいな」
朝食の席で呟いたとたん、空気がぴりっと緊張したのがわかった。
「休みたいって……どうして」
母さんが世にも不思議なことを聞いた、というように、こちらを向く。
正面に座っている父さんの顔は、広げた新聞の向こうに隠れて見えない。
「うん…」
僕はわけもなく前髪をいじりながら、ぼんやりと食卓の上を見た。
湯気をたてている白いご飯、ねぎとあげのみそ汁、ガラス食器に彩りよく盛られた生野菜、焼き上がったばかりのベーコンエッグ。箸置きにきちんとそろえられた汚れ一つない箸と、番茶の入っている湯飲み。
何もかもきちんとして、何もかもそろった理想の朝食。
朝食の席で呟いたとたん、空気がぴりっと緊張したのがわかった。
「休みたいって……どうして」
母さんが世にも不思議なことを聞いた、というように、こちらを向く。
正面に座っている父さんの顔は、広げた新聞の向こうに隠れて見えない。
「うん…」
僕はわけもなく前髪をいじりながら、ぼんやりと食卓の上を見た。
湯気をたてている白いご飯、ねぎとあげのみそ汁、ガラス食器に彩りよく盛られた生野菜、焼き上がったばかりのベーコンエッグ。箸置きにきちんとそろえられた汚れ一つない箸と、番茶の入っている湯飲み。
何もかもきちんとして、何もかもそろった理想の朝食。
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登録日 2017.06.05 20:32
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