『密約』11アップ。
秋野さんを、始業時間ぎりぎりまで部屋で待っていた。
時計の音がとろとろと流れて行く夜の時間を刻んでいく。その中で一人座ったままでずっとドアの方を見つめていた。
ふと、自分が、親から離されてダンボールの箱に入れられて置き去られた子犬のような気がした。
自分が捨てられたこともわからないで、いつか誰かが迎えに来て抱き上げ、元通りにぬくぬくと親の側へ戻してくれると信じて、じっとおとなしくしている子犬。雨が降り、風に凍え、腹が減っていって、身動きできないほど弱ってから、初めて何かを失ったことに気づく。
時計の音がとろとろと流れて行く夜の時間を刻んでいく。その中で一人座ったままでずっとドアの方を見つめていた。
ふと、自分が、親から離されてダンボールの箱に入れられて置き去られた子犬のような気がした。
自分が捨てられたこともわからないで、いつか誰かが迎えに来て抱き上げ、元通りにぬくぬくと親の側へ戻してくれると信じて、じっとおとなしくしている子犬。雨が降り、風に凍え、腹が減っていって、身動きできないほど弱ってから、初めて何かを失ったことに気づく。
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登録日 2017.05.14 11:17
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