『密約』7アップ。
厳密にいうと、落ち込んで、これからどうしようかと思って湖をのぞき込んでいた俺に気づかず、そのころ、中学生だった近江潤は俺の上に飛び降りてきたのだ。
巻き込まれて湖に投げ出され、とっさのことだろう、近江潤が俺の体をつかんでもがくのに、俺はパニックになった。必死に振りほどこうとしたとき、突然相手の体から、あふれかえるような情報がなだれ込んで来て、気を失ってしまった。
気がつけば、湖の岸に俺は打ち上げられていた。側にやっぱり近江潤も転がっていたが、それはとっくに鼓動を止めた物体だった。
初めて接触した『地球』人がいきなり死んでしまって、俺は二重に困惑した。
「とりあえず、なだれ込んだ情報を頼りに服を探ったら、保険証と学生証が出てきたんだ。お金はほとんど持ってなかった。近江潤はその前の年の暮れに両親を火事でなくしてて、身寄りは一人もいなくなっていた。福祉事務所から手続きされて、学生寮みたいなところへ入るはずだったんだが、将来を悲観してたんだろうな。ふらふらとそこを飛び出したらしいよ」
巻き込まれて湖に投げ出され、とっさのことだろう、近江潤が俺の体をつかんでもがくのに、俺はパニックになった。必死に振りほどこうとしたとき、突然相手の体から、あふれかえるような情報がなだれ込んで来て、気を失ってしまった。
気がつけば、湖の岸に俺は打ち上げられていた。側にやっぱり近江潤も転がっていたが、それはとっくに鼓動を止めた物体だった。
初めて接触した『地球』人がいきなり死んでしまって、俺は二重に困惑した。
「とりあえず、なだれ込んだ情報を頼りに服を探ったら、保険証と学生証が出てきたんだ。お金はほとんど持ってなかった。近江潤はその前の年の暮れに両親を火事でなくしてて、身寄りは一人もいなくなっていた。福祉事務所から手続きされて、学生寮みたいなところへ入るはずだったんだが、将来を悲観してたんだろうな。ふらふらとそこを飛び出したらしいよ」
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登録日 2017.05.10 14:36
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