segakiyui

segakiyui

『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(9)(個人サイトでアップ)

「つっ!」
「痛い?」
「い…いたくないもん、これ…っぐらい…っ」
 答えながらレスファートの目は涙で歪んでいる。今にも溢れて零れ落ちそうだ。
「無理しなくていいから」
「むり…じゃな…いっ」
 整えられた客用のベッドに腰をかけ、ユーノの手当てに泣くまいとしているが、駆け上がってくる痛みはどんどん強くなってくる。体が勝手に震えてくる。
「もう少しで終わるから」
 案じてくれるユーノに、大丈夫だよと笑い返したい。けれど、痛み止めが切れていて、我慢するので精一杯だ。
(こんなの、痛くない)
 ユーノの負った傷に比べれば。
 真っ青になって今にも死にそうになっていたユーノを思い出しながら、レスファートは歯を食いしばる。
コメント 0
登録日 2017.04.18 12:27

コメントを投稿する

1,000文字以内
この記事に関するコメントは承認制です

ログインするとコメントの投稿ができます。
ログイン  新規ユーザ登録

0

処理中です...

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。