『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(8)(個人サイトでアップ)
しばらく戸口で動かなかったアオクがのろのろとアシャ達を振り向いた。苦い笑みを広げて溜め息をつき、部屋の隅にかけてあったマントと鎧を身につける。
「すまないが急用ができた。用はラセナに言い付けてくれ。ラセナ、客人を頼むぞ」
「ええ、兄さん」
「では」
軽く頷いて、アオクもまた緊張した顔で夜気の中に溶け込んでいく。
見送ってゆっくりと扉を閉めたラセナが、背中で扉を押しながら、そっと呟いた。
「馬鹿な兄さん」
訝しく見返すアシャに目を伏せたまま、
「早く申し込んでおけば、エキオラを盗られないですんだのに」
「アオクが?」
問いに何度か頷く。
「すまないが急用ができた。用はラセナに言い付けてくれ。ラセナ、客人を頼むぞ」
「ええ、兄さん」
「では」
軽く頷いて、アオクもまた緊張した顔で夜気の中に溶け込んでいく。
見送ってゆっくりと扉を閉めたラセナが、背中で扉を押しながら、そっと呟いた。
「馬鹿な兄さん」
訝しく見返すアシャに目を伏せたまま、
「早く申し込んでおけば、エキオラを盗られないですんだのに」
「アオクが?」
問いに何度か頷く。
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登録日 2017.04.17 11:08
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