『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(4)(個人サイトでアップ)
レスファートの傷を庇いつつ移動して翌々日、ダノマは鮮やかな緑青石造りの門と、きらびやかな衛兵で4人を迎えた。
「旅人か?」
門の手前で馬から降りたユーノ達に、緑のマントを翻して衛兵の1人が近付いてくる。銀の鱗状の金属片を綴りあわせた鎧に、明るい日射しが跳ねる。
「ラズーンのもとに」
アシャが慣れた挨拶をするのに、相手はまばゆそうな目をして笑った。
「これは………なんと見事な客人だな」
快活な声をかけてきながら、腰についている剣を押さえ詫びるように肩を竦める。
「すまないな、常ならここまでの警戒はしていないのだが、今日は特別な日なのでな」
「特別な日?」
「ああ……ダノマの赤い華と呼ばれる美人が、ここに居城を構える、国の第三王子に嫁ぐんだ」
浅黒い顔が寂しそうに翳った。滲むのは、優しく切なげな表情、アシャが何ごとか察したように頷く。
「なるほど特別な日だ」
「そうとも」
「旅人か?」
門の手前で馬から降りたユーノ達に、緑のマントを翻して衛兵の1人が近付いてくる。銀の鱗状の金属片を綴りあわせた鎧に、明るい日射しが跳ねる。
「ラズーンのもとに」
アシャが慣れた挨拶をするのに、相手はまばゆそうな目をして笑った。
「これは………なんと見事な客人だな」
快活な声をかけてきながら、腰についている剣を押さえ詫びるように肩を竦める。
「すまないな、常ならここまでの警戒はしていないのだが、今日は特別な日なのでな」
「特別な日?」
「ああ……ダノマの赤い華と呼ばれる美人が、ここに居城を構える、国の第三王子に嫁ぐんだ」
浅黒い顔が寂しそうに翳った。滲むのは、優しく切なげな表情、アシャが何ごとか察したように頷く。
「なるほど特別な日だ」
「そうとも」
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登録日 2017.04.13 11:43
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