「今からあなたを訴えます！」
　第7話投稿しました。
　以下、ネタバレありなので、読了後にお読みください。










　主人公だって人間なんだから、カッとなれば感情に任せて、言ってはいけないことを口に出すこともあるんじゃないかな、というお話でした。
　実のところ、幸恵は割と頭に血が上りやすいタイプです。
　が、両親への反発心やプライドが、「絶対にああはなるまい」と意地で冷静に振る舞わせています。この理性の枷さえなければ、許せない人間はぶっ飛ばしてやりたいタイプです。虐待の連鎖を高いプライドで断ち切ったパターンですね。
「なぜ主人公がここまで妹を助けようとするのか？」という理由については、この「両親と同じになりたくない」というプライドからきています。
　正直なところ、相手が妹じゃなくてもかまわないのかもしれません。両親に似た人間がいて、その被害者がいれば、やっぱり被害者を見捨てられません。それは相手のためではなく、自分のためです。まあ、言ってしまえば偽善です。
　この主人公には救われる人間もいれば、彼女の偽善的な態度を嫌悪する人間もいます。将来的に、主人公は自分のそういった部分に直面する時がくるかと思います。そういった意味でも、幸恵は聖人君子ではないです。

　余談ですが、ショコラとはフランス語でチョコレートを意味しますよね。
　一方、そのフランスでは、とある夫婦が娘に「ヌテラ(Nutella)」と名付けようとしたところ、「からかいの対象になりかねない」として裁判所が命名を却下して改名を命じたことがあるそうです。
　この「ヌテラ」とは、ヘーゼルナッツとチョコレートのスプレッドの商品名だそうです。
　同じ理由で「Fraise（イチゴ）」なども却下されています。
「聖恋蘭（ショコラ）」とフランス語を名付けられた妹ですが、そのフランスであれば悲劇が起こらなかったかもしれないと考えると、皮肉な話です。