見分け方の、6

 私への異議には、「名称の違いによる争いなどそもそも起こっていない」というものもあるでしょう。確かにそれは、現代日本においては正しいと言えます。宗教の自由を約束した憲法に、宗教に類するものとして、オカルト関連も保護してもらっているからです。

 しかし世界史を振り返ると、今はとても稀有な時代であることに気づきます。例えば、カトリックとプロテスタントです。両宗教が中世ヨーロッパで争ったことは学校でも学びますが、実情は教科書に書かれているより悲惨でした。同じ一族の中でカトリックとプロテスタントに分かれ、どちらかが皆殺しにされるまで争いが止まなかったという例は、枚挙にいとまがありません。日本でも戦前は宗教弾圧が公に行われていましたし、イスラム過激派の行いは世界中に知れ渡っています。そのような歴史を経て、過半数の人類は以下を学んだのです。

 宗教に類する形のないものへの争いは、可能な限り避けよう。

 ネットで度々目にするアセンション系の言葉を中世ヨーロッパで口にしようものなら、異端審問や魔女裁判にすぐさまかけられたでしょう。現代日本がそうだからと言って世界中が昔からそうだったとは、限らないのです。

 続きは次回に。
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登録日 2021.02.26 06:13

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