宗教戦争の例

 前回の、「魂や幽体離脱などの実体がないものへの誤解は凄まじいの一言に尽きる」がなぜ起こるかを、宗教を例に書いてみまね。


 A宗教の開祖が深い瞑想を経て、宇宙の仕組みの「一部」を垣間見ました。A開祖は自分が見た一部を、世に知られている魂と考え、信者達に教えていきました。

 B宗教の開祖が深い瞑想を経て、宇宙の仕組みの「別の一部」を垣間見ました。B開祖とA開祖は異なる部分を一瞥したのですが、B開祖もそれを魂と考え、信者達に教えていきました。


 では考察しましょう。A開祖とB開祖が穏やかに話し合えば、宇宙の仕組みの異なる個所を、自分達が見たことに気づけたかもしれません。二人はそれを直接見たのですから、細部を冷静に照らし合わせれば、その気づきに至った可能性は高いと私は考えています。

 しかしそれは、信者には当てはまりません。理由は二つあり、一つは「信者達はそれを見ていない」から。そしてもう一つは、「魂という名前は同じでも、異なる個所をそれぞれが指しているから」です。さあ、考えてみてください。

 A教の信者とB教の信者が魂について意見交換したら、合意を得られるでしょうか?
 両宗教とも開祖は既に亡くなり、当人達の意見を聴けないとしても、魂の定義を明確にできるでしょうか?
 いや定義づけどころか、数百年前の世界で両宗教の信者がまみえたとしたら、平和な関係を築けたでしょうか?
 場合によっては戦争に発展したことすら、あったのではないでしょうか?


 続きは次回にします。


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登録日 2021.01.29 06:54

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