『ラズーン』第一部 13.夢見る草猫達(1)(個人サイトでアップ)
ざわざわと、体をすっぽり隠すほどの草を風が鳴らしていく。
「ん…しょっと…」
レスファートは苦労して草を刈っている。流れる汗を瞬きしながら振り払う。
ネークの半分を占める丈高い草原を1日で駆け抜けるのは困難、今夜はここで野営だ。
時々手を休め、きゅ、と小さな短剣を握りしめてみる。軽くしびれた指先、城にいる頃には掠り傷1つにメーナが騒いだが、すべすべしていた手にはもう無数の切り傷がある。火を扱い料理もするようになったから火傷の痕もある。潰れた小さなまめもある。
とても王族の手ではないと言われるだろう。それでもこの手はユーノを慰めたりもできる。
「ふ」
誇らしく微笑み、レスファートは頷く。
(旅にでて、よかった)
「ん…しょっと…」
レスファートは苦労して草を刈っている。流れる汗を瞬きしながら振り払う。
ネークの半分を占める丈高い草原を1日で駆け抜けるのは困難、今夜はここで野営だ。
時々手を休め、きゅ、と小さな短剣を握りしめてみる。軽くしびれた指先、城にいる頃には掠り傷1つにメーナが騒いだが、すべすべしていた手にはもう無数の切り傷がある。火を扱い料理もするようになったから火傷の痕もある。潰れた小さなまめもある。
とても王族の手ではないと言われるだろう。それでもこの手はユーノを慰めたりもできる。
「ふ」
誇らしく微笑み、レスファートは頷く。
(旅にでて、よかった)
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登録日 2017.03.28 07:53
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