既知の三つと、未知の一つ。の3

米国の連邦最高裁判所には、九人の判事がいます。そのうち二人だけが、テキサス州の提訴を審議することに賛成しました。この七対二という比率へ、「心の成長した人が意外と多いな」と私は感じました。地位菱形と学歴菱形の上位ほど、心の成長した人が少なくなるのは、米国も日本も同じですからね。

心の成長度合いを人数別に分けると、菱形になります。菱形の上の頂点は、心の成長した少数の人達。下の頂点は、心の未熟な少数の人達。そして中央の最大幅の箇所が、平均的成長を遂げた最大人数の人達です。

この菱形内で一人一票の民主選挙をすると、最多票を獲得するのは、中央層から出馬した人になります。心の成長した人がより良い政策を主張しても、理解できる人が少ないため、少数獲得にしかならないんですね。

もちろん政治家の中にも、心の成長した人はいます。しかしその人は、少数派を余儀なくされます。それは菱形を見れば一目瞭然でしょう。菱形の上位に属する人より、それ以外に属する人達の方が圧倒的に多いのは、見てすぐ解りますからね。つまり心の成長した政治家がいるのは事実でも、多数決の原理が働いている限り、その人が全体を牽引する指導者になるのは、奇蹟に等しと言わざるを得ないのです。

奇蹟に等しくなる理由は、他にもあります。いいえむしろそれこそが、奇蹟になる主原因と言えるでしょう。その理由は、いわゆるキャリア官僚に、心の成長した人はほぼいないという事。反論する人は、思い出してください。あなたが実際に経験した小中高の十二年間で、「心の成長した生徒が進学で優遇される」のを、見たことがありますか? 見たことが無くても、聞いたことがありますか? 推薦入学を挙げる人は、東大法学部を考えてみてください。推薦で入学した学生が一般入試より多いなんてこと、絶対ありませんよね。体だけでなく心も爆発的に成長する思春期に、自分で考える必要のない暗記ばかりをし続けた方が、東大法学部を経て高級官僚になりやすい。これがこの国の、現実なのです。

続きは、明後日に。
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登録日 2021.01.01 07:33

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