3の時代の末期と、 MMTの関係

今回の投稿は、米大統領選挙と直接的な関係はありません。しかし間接的には関わる事と、現代貨幣理論と和訳されるMMTの解明には前回書いた五つの時代を用いねばならない事の二つの理由により、取り上げてみましょう。まずは昨日の、五つの時代のおさらいから。

1,お金が存在しない時代。
2,物々交換の代役を果たす、実質金のみが存在する時代。
3,資産金が生まれ、実質金の額を遥かに凌駕する時代。
4,資産金の額が徐々に減少していく時代。
5,お金を必要としなくなる時代。

現代は、3の時代の末期に分類されます。この区分の経済は、とても不安定です。民間銀行でしかないドイツ銀行の不始末が世界恐慌を招きかねないような、非常に不安定な経済なのです。そしてMMTは、この区分特有の経済理論と言えます。資産金の額が実質金の額を遥かに凌駕しているせいで、資産経済に詳しいだけなのに『私はお金の真実を理解している』と誤解する人が多々現れる、区分なのです。

私の見る限りMMT肯定派は、資産経済をお金の本質とみなす傾向があります。対してMMT否定派は、実質経済をお金の本質とみなす傾向があります。このように両者は異なる経済の話をしているのに、資産金と実質金を分けていないため、「お前は何もわかってない」「お前こそ何も理解してない」と、喧々囂々の言い争いをしています。資産経済に含まれる金融派生商品で失敗したドイツ銀行が、実質経済に多大な影響を及ぼす原因は、両者を分けていない事にあるとした方がスッキリすると、私は考えています。

あまりにも巨大化した資産経済を制御する方法の一つとして、金本位制を復活させようとする動きがあるようです。最初のとっかかりとしては、私もそれに賛成します。しかし地球が狭くなるという、かつてない時代に突入した人類には、新しい経済システムが必要なのではないでしょうか。

それが4の、資産金の額を少しずつ減らしてゆく経済だと、私は考えています。

ちなみに今話題のベーシックインカムは、誰もが陰ひなたなく働くようになった、4の時代の安定期になって初めて成功する政策です。現時点における人類の心の成長度合いでベーシックインカムを導入したら、共産主義と同じ結末を迎えるでしょう。

共産主義は更に人類が成長した5の時代にのみ成功する、政策ですから。
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登録日 2020.12.24 06:19

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