『ラズーン』第一部 12.盲目の導師(13)(個人サイトでアップ)
ユーノは愛しいと思う。今まで会ったこともない人間、強くてしなやかで、なのにふとした拍子に脆い部分を見せられると、その弱味を晒すのは自分だけなのかもしれないと気分が高揚する。
けれど。
暗い夜道を進みながらアシャは目を伏せる。
ユーノの全身の傷はそんな自惚れを砕いてしまった。
アシャの知らないところでユーノはあれほど傷を負い、アシャに知らせることなくユーノは日々を笑って過ごしていた。この手に掴んでいたはずのユーノの姿は、他の人間に見せられていたと同じような偽りに過ぎず、他の人間より深く知っていると思っていた部分もユーノが多少譲ったに過ぎない。アシャが踏み込み、獲得したものではない。
ユーノの中にはまだアシャのたどり着けないものが秘められている。なのにそれを既に手にしている男がどこかに居るも知れない。
想像がどんどん不穏な方向に進んでいく。
けれど。
暗い夜道を進みながらアシャは目を伏せる。
ユーノの全身の傷はそんな自惚れを砕いてしまった。
アシャの知らないところでユーノはあれほど傷を負い、アシャに知らせることなくユーノは日々を笑って過ごしていた。この手に掴んでいたはずのユーノの姿は、他の人間に見せられていたと同じような偽りに過ぎず、他の人間より深く知っていると思っていた部分もユーノが多少譲ったに過ぎない。アシャが踏み込み、獲得したものではない。
ユーノの中にはまだアシャのたどり着けないものが秘められている。なのにそれを既に手にしている男がどこかに居るも知れない。
想像がどんどん不穏な方向に進んでいく。
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登録日 2017.03.23 01:36
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