『ラズーン』第一部 12.盲目の導師(10)(個人サイトでアップ)
闇に慣れてきていた瞳に、紺の頭巾に紺のマントを纏い、陰からこちらを見返してくる穏やかな白い顔が微笑んでいるのが見える。
「どうぞ、中へ」
ユーノの側をすり抜けて導師は戸を開けて入った。施錠も何もしていない、そのまま奥へ進んで、小さなランプに灯をともす。
促されて家に入ったユーノは、相手の目が閉じられたままなのに気付いた。明々とした光に照らされ、眉の下に淡い影ができる導師の顔は若々しかったが、笑みをたたえた唇はユーノの心の中をはっきりと言い当てた。
「盲目でも、あなたが探しているのは私だろうと思いますよ」
「申し訳ありません」
ユーノは重ねた失礼に熱くなる顔を伏せて、慌てて勧められた椅子に腰を降ろした。
「どうぞ、中へ」
ユーノの側をすり抜けて導師は戸を開けて入った。施錠も何もしていない、そのまま奥へ進んで、小さなランプに灯をともす。
促されて家に入ったユーノは、相手の目が閉じられたままなのに気付いた。明々とした光に照らされ、眉の下に淡い影ができる導師の顔は若々しかったが、笑みをたたえた唇はユーノの心の中をはっきりと言い当てた。
「盲目でも、あなたが探しているのは私だろうと思いますよ」
「申し訳ありません」
ユーノは重ねた失礼に熱くなる顔を伏せて、慌てて勧められた椅子に腰を降ろした。
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登録日 2017.03.18 08:53
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