『ラズーン』第一部 11.知将ゼランの陰謀(4)(個人サイトでアップ)
「カザディノ王は様々な手を打つお人でな」
レアナが大人しく嫁いでこないとわかってからは、あの手この手を企んだ。中の1つが刺客の潜入だ。
「皇の信頼を得て親衛隊に加えられ、いつしか隊長と呼ばれるまでになっていた。嫌いではなかったさ、ここの生活も。だが忘れたことなどない、自分の仕事を……もっともそればかりでもなかったが」
「カザド、だったのか」
ユーノが常に緊張し警戒していた隣国の野望は、こんな間近で息を潜めていたのかと苦々しい顔になったアシャに、ゼランが剣を構える。
「もう一度言う、そこをどけ、さもないと」
ふ、と短い気合いを漏らし一瞬にしてアシャに迫って振り降ろす剣、それでもいささかの驕りはあったのだろう、ギンッと歯が傷むような音を響かせて受け止めたアシャの短剣に、驚いたように目を見張る。
「ほ、う、これはこれは」
お前はそんなものを使えたのか。
「てっきり旅役者崩れの優男とばかり思っていたぞ」
レアナが大人しく嫁いでこないとわかってからは、あの手この手を企んだ。中の1つが刺客の潜入だ。
「皇の信頼を得て親衛隊に加えられ、いつしか隊長と呼ばれるまでになっていた。嫌いではなかったさ、ここの生活も。だが忘れたことなどない、自分の仕事を……もっともそればかりでもなかったが」
「カザド、だったのか」
ユーノが常に緊張し警戒していた隣国の野望は、こんな間近で息を潜めていたのかと苦々しい顔になったアシャに、ゼランが剣を構える。
「もう一度言う、そこをどけ、さもないと」
ふ、と短い気合いを漏らし一瞬にしてアシャに迫って振り降ろす剣、それでもいささかの驕りはあったのだろう、ギンッと歯が傷むような音を響かせて受け止めたアシャの短剣に、驚いたように目を見張る。
「ほ、う、これはこれは」
お前はそんなものを使えたのか。
「てっきり旅役者崩れの優男とばかり思っていたぞ」
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登録日 2017.02.28 13:14
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