棗

のんびりちまちま書いてます。基本溺愛系が多いです。

我慢令嬢、没でもない小話

※我慢令嬢、過去⑦の没
※没というより、王太子妃の誕生日パーティーに向かってる話。追加する程でもないかと思い…
※単に次の過去回では入れない場面?

「はあ……何で俺まで」
「文句を言わないの。私1人だと寂しいじゃないの」
「俺はお留守番でも寂しくないよ」
「君はそうだろうね。でも私が寂しくなる」
「シエル様もう三十路越えたのに何言ってるんだか」
「君だって越えたでしょう!?」
「俺まだ34だよ。あ、それ言ったら38歳のシエル様は後2年で今度四十路突入か。またお祝いしてあげる」
「いらないよ! クラッカー鳴らしながら三十路って叫ばれて嬉しい人間が何処にいるの!」
「楽しかったから良いと思うのに。2年後もやろうよ。きっと楽しい」
「……」

不服そうに眉を寄せるシエルを、無理矢理王太子妃の誕生日パーティーに連れて行かれるヴェレッドは上機嫌に眺める。さっきまではシエルがヴェレッドの立場だったのに。
馬車はもうじき王城内に到着する。
王弟として(一応)出席するシエルは長居するつもりはない。必要最低限の挨拶が終わったらすぐに帰る。
が、目の前の男は文句を言いながら長くいたがるだろう。
長年ヴィトケシュタイン公爵家に偽りの姿で仕え、内情に詳しい彼は王太子妃がどの様な振る舞いをするか見たがっている。

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登録日 2020.05.26 12:40

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