segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『緑満ちる宇宙』第5章 『第二の草』(3) アップ。

「だから、ファルプにあなたの居場所をきいて。その後、コーヒーを勧められて、少し飲みました。…たぶん、あのコーヒーに薬が入っていたんですね」
 スライとクルドの間に視線が行き交う。
「それから、中央ホールに行って、あなたと話しているうちに、なんだかひどく眠くなって…」
「君が眠り込んだ後、中央ホールの換気が止められた」
 スライがどこか冷ややかな声で言った。
「モリが死んでいたときの状況をすぐに思い出して、ホールから出て、クルドの部屋に運び込んだ。君がファルプから俺の居場所を聞いたと言っていたし、ひょっとして、と思ったせいだ。俺が入ったとき、換気は動いていた。だから、誰かが、君がホールに入ったのを確かめて換気を止めたことになる」
 スライはいったんことばを切った。じっとサヨコを見つめる、その瞳がなぜか怒りを浮かべているようにサヨコには見えた。
(わたしがへまをした、と怒っているのかしら)
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登録日 2017.02.20 23:52

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