『ラズーン』第一部 10.花祭(6)(個人サイトでアップ)
「剣士さまっ」
人込みの中から1人の娘が進み出る。若草色のドレスの腕と腰を焦茶の革紐できゅっと縛った、明るい緑の目の娘だ。こぼれるような笑みを浮かべ、手にしていた白、赤、黄色、紫の鮮やかな冠を差し伸べながら、ユーノの前に跪いた。
「どうぞ、これを」
「え…」
戸惑うユーノに娘が不安そうに顔を上げる。
「お気に召しませんか」
「あ、いや、とっても綺麗だ」
「ではどうぞ」
「あ…はい」
促されて体を屈めたユーノの頭に花冠を載せ、
「心よりお礼申し上げます!」
「っ」
素早くユーノの頬に唇をあてた。
わあっと周囲から笑いと拍手が起きる。驚いた顔になったユーノが、それでもとっさに娘に微笑みかけた。
「ありがとう」
きゃあああ、と上がった悲鳴じみた声にアシャは思わず眉を寄せる。
「あいつ、時々性別を間違えてるよな……」
人込みの中から1人の娘が進み出る。若草色のドレスの腕と腰を焦茶の革紐できゅっと縛った、明るい緑の目の娘だ。こぼれるような笑みを浮かべ、手にしていた白、赤、黄色、紫の鮮やかな冠を差し伸べながら、ユーノの前に跪いた。
「どうぞ、これを」
「え…」
戸惑うユーノに娘が不安そうに顔を上げる。
「お気に召しませんか」
「あ、いや、とっても綺麗だ」
「ではどうぞ」
「あ…はい」
促されて体を屈めたユーノの頭に花冠を載せ、
「心よりお礼申し上げます!」
「っ」
素早くユーノの頬に唇をあてた。
わあっと周囲から笑いと拍手が起きる。驚いた顔になったユーノが、それでもとっさに娘に微笑みかけた。
「ありがとう」
きゃあああ、と上がった悲鳴じみた声にアシャは思わず眉を寄せる。
「あいつ、時々性別を間違えてるよな……」
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登録日 2017.02.17 17:28
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