『朱の狩人』8.桜、吹雪く (3)アップ
「姉……だったのよ」
真奈美はひとしきり泣きじゃくった後、内田の足下に捨て猫のように蹲ったまま、話し出した。
「あたしは6年だった。お姉ちゃんは9つ違いで、綺麗で、さっぱりしてて頭もよくって、あたしの憧れそのものだった。その頃、いいアルバイトがあるからってベビーシッターに行ってたの。旧家だって聞いてたし、あれこれ難しい作法があったりするんじゃないかと気にしてたけど、行ってみるとそれほどでもなくて、アルバイト料であたしが欲しがってたいちごのネックレスとゲームを買ってくれるって言ってた」
ところが、その家に入って1ヶ月後のある日、姉は突然姿を消してしまった。
バイト先の家では知らぬ存ぜぬで押し通され、あげくの果てに派手な娘だったから遊び歩いて男とでもいるんだろうとまで言われた。真奈美は幼いながらも憤慨して、泣き暮れている父母をよそにその家の周囲をうろつき回った。
そんなとき、真奈美は妙な事件を掴んだ。
「友達のお兄さんが警察官で、怪奇話だからねと『腹に手のめりこんだ女』のことを教えてくれたの。その話を聞いたとき、ふいに、心の中で画像が弾けた」
真奈美はひとしきり泣きじゃくった後、内田の足下に捨て猫のように蹲ったまま、話し出した。
「あたしは6年だった。お姉ちゃんは9つ違いで、綺麗で、さっぱりしてて頭もよくって、あたしの憧れそのものだった。その頃、いいアルバイトがあるからってベビーシッターに行ってたの。旧家だって聞いてたし、あれこれ難しい作法があったりするんじゃないかと気にしてたけど、行ってみるとそれほどでもなくて、アルバイト料であたしが欲しがってたいちごのネックレスとゲームを買ってくれるって言ってた」
ところが、その家に入って1ヶ月後のある日、姉は突然姿を消してしまった。
バイト先の家では知らぬ存ぜぬで押し通され、あげくの果てに派手な娘だったから遊び歩いて男とでもいるんだろうとまで言われた。真奈美は幼いながらも憤慨して、泣き暮れている父母をよそにその家の周囲をうろつき回った。
そんなとき、真奈美は妙な事件を掴んだ。
「友達のお兄さんが警察官で、怪奇話だからねと『腹に手のめりこんだ女』のことを教えてくれたの。その話を聞いたとき、ふいに、心の中で画像が弾けた」
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登録日 2017.02.17 00:54
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