segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

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『ドリーム・ウォーカー』8. パンドラの箱(...

 逃げられない、わかってる、逃げられないんだ、最後だ、最後。
 涙がぼろぼろこぼれる目を閉じると、まぶたの裏に青い海が広がった。
 海に落ちると、俺は確実に死ぬ...
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登録日 2017.06.22 15:41

『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(5)(個人...

 小さな悲鳴が漏れたが慌てたように呑み込まれたのも道理、立ち上がった水を破って現れたのは異形の怪物だった。
「ひ…」
 誰かが鋭く息を引く。
「や…」
 半泣きに...
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登録日 2017.06.21 09:08

『ドリーム・ウォーカー』8. パンドラの箱(...

 僕の知らないところで何かが起こっていてそれに巻き込まれてしまったか、それこそ悪い夢を見ているに違いない。
 朗と、その友人二人に、店からそれほど離れていない、...
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登録日 2017.06.21 09:08

『ドリーム・ウォーカー』7.境界線(4)ア...

 春日?
 僕はリカのみるみる遠ざかる姿をぼんやりと見た。
 なんで、春日?
 当然じゃないか、とどこからか誰かからか囁かれた気がした。
 同じことを繰り返すん...
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登録日 2017.06.20 20:29

『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(1)アッ...

「レス、いいか?」
「ん…もうちょっと、まって」
「ナスト……いいかげんに口閉めたら」
「いや……けれどこれはしかし…」
 天幕(カサン)の中で向かい合って座っている...
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登録日 2017.06.20 20:28

『ドリーム・ウォーカー』7.境界線(3)ア...

 ひく、と一瞬、リカの唇が母さんのように強ばった気がした。けれど、リカはすぐになんでもないふうでひょいと片手をあげた。
「これ? かわいいでしょ」
 ふふ、と笑...
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登録日 2017.06.20 00:09

『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(3)(個人...

 神殿は夜の闇が降りつつある中で、ほの白く姿を浮かび上がらせていた。
「確かに『運命(リマイン)』が好みそうだな」
 アシャはつぶやいて、するりと樹間から歩み出...
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登録日 2017.06.20 00:08

『ドリーム・ウォーカー』7.境界線(2)ア...

 あれは、どこで聞いた声だろう。
 リカと待ち合わせた店で、先に注文したアイスコーヒーを吸い上げながら、僕は考え込んでいた。
 朝、母さんのことばに重なって聞こ...
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登録日 2017.06.18 19:25

『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(2)(個人...

 ユーノは簡単だったんだけどな、とレスファートは一人ごちる。
「すごくきれいな虹色の布、ところどころに銀色の糸が入ってて、宝石みたいに光ってる。ずっと見ててあき...
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登録日 2017.06.18 19:25

『ラズーン』第二部 2.闇の巫女達(1)(個人...

「レス、いいか?」
「ん…もうちょっと、まって」
「ナスト……いいかげんに口閉めたら」
「いや……けれどこれはしかし…」
 天幕(カサン)の中で向かい合って座っている...
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登録日 2017.06.17 09:05

『ドリーム・ウォーカー』7.境界線(1)ア...

 日曜日の朝。
「おはよう、起きなさい」
 明るい声と一緒にカーテンが引かれた。
「今日はデートでしょ」
 浮かれているほどの、母さんの声。
 布団の中で目を開...
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登録日 2017.06.17 09:04

『ドリーム・ウォーカー』6.転生記憶(4)...

 混乱し立ち竦む僕を突き飛ばすように、次々と人が乗り込んできた。我に返った僕は、倒れそうになって慌てて体をかわした。あちらへ流され、こちらへ押し戻されて、ちょう...
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登録日 2017.06.17 01:53

『ラズーン』第二部 1.忘却の湖の伝説(4)

 翌日。
「反対だ」
「アシャ」
「俺は絶対反対だ」
 ナストからあれこれ話を聞き出しつつ、マノーダ奪回作戦をたてていたユーノに、アシャはきっぱり拒否を示した。...
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登録日 2017.06.17 01:52

『ラズーン』第二部 1.忘却の湖の伝説(11)...

 囁く声は低くて優しい。睫毛を伏せて近づいてくる顔、柔らかな熱がじんわりと体を包んでくるのに飲み込まれそうになる。アシャが軽く口を開く。強張った唇に落ちた水滴を...
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登録日 2017.06.15 19:19

『ドリーム・ウォーカー』6.転生記憶(3)...

 送ろうか、と言った春日の申し出を、僕は断った。
 玄関まで出てくれた春日の顔に、両親と離れたくないと泣いた小学生の顔が重なって、痛々しくてまともに見られなかっ...
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登録日 2017.06.15 19:18

『ラズーン』第二部 1.忘却の湖の伝説(10)...

「遅いですね」
 ナストの不安そうな声に、そうだね、と応じてユーノは湖の方向を眺めた。
「やっぱり無理なんじゃ…」
「大丈夫だって……でも、ちょっと見てくるね」...
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登録日 2017.06.14 09:44

『ドリーム・ウォーカー』6.転生記憶(2)...

 道斗さんはトーストをすっかり食べてしまってから、席を立ち、コーヒーを淹れ直した。それと一緒に気持ちのどこかもいれかえたように、
「そのときに伊織が話してくれた...
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登録日 2017.06.14 09:43

『ラズーン』第二部 1.忘却の湖の伝説(9)(...

「ユーノの女装だと?」
 アシャはぼやきつつ、湖の側で衣服を脱ぎ捨てる。
 そんなもの、どうして他の男に見せてやらなくちゃならない。
 少し離れたところから、今...
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登録日 2017.06.13 08:59

『ドリーム・ウォーカー』6.転生記憶(1)...

「少し待っててくれ。そのカップを入れられる袋を探してくる」
 何だかちょっといづらくなった。帰りたいと言い出した僕に、春日はリカのカップを丁寧に洗い上げてから二...
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登録日 2017.06.13 08:57

『ドリーム・ウォーカー』5.夢のかけら(4...

 コーヒーメイカーからはずしたポットを持ち上げ、春日はカップにゆっくりと、濃い茶色の液体を注いだ。熱くてしっかりした、強い香りが重ねて広がる。
「ミルクと砂糖は...
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登録日 2017.06.12 21:10
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