『闇を闇から』11.イン・ジ・エアー(4)アッ...
何があったのだろう。
運ばれてきた前菜を、綺麗だね、と嬉しそうに覗き込む真崎に伊吹は眉をしかめる。
「伊吹さん、ワイン呑む?」
「いえ、結構です」
「僕は少...
運ばれてきた前菜を、綺麗だね、と嬉しそうに覗き込む真崎に伊吹は眉をしかめる。
「伊吹さん、ワイン呑む?」
「いえ、結構です」
「僕は少...
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登録日 2017.09.24 07:20
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(6)(個人...
「……自己嫌悪…」
隣の部屋でアシャは落ち込んでいた。
「あん?」
椅子に埋まり込んで珍しくぐったりと覇気をなくしてしまったアシャを、イルファが不審そうに振り...
隣の部屋でアシャは落ち込んでいた。
「あん?」
椅子に埋まり込んで珍しくぐったりと覇気をなくしてしまったアシャを、イルファが不審そうに振り...
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登録日 2017.09.24 07:19
『霊道開き』1(新連載)アップ。
「あれ」
ドアの外の灰色の廊下に、まるで私の部屋に向かって立つように、一組の足跡があった。
大きさはそう、小学生ぐらいの子どものようなものか。とても小柄な女...
ドアの外の灰色の廊下に、まるで私の部屋に向かって立つように、一組の足跡があった。
大きさはそう、小学生ぐらいの子どものようなものか。とても小柄な女...
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登録日 2017.09.23 22:12
『闇を闇から』11.イン・ジ・エアー(3)アッ...
料理は綺麗だった。
「伊吹さん、ワイン呑む?」
誘ってみたけれど、伊吹は首を振る。
「ん? へえ、伊吹さん、これ牛蒡のスープだって」
さっき伊吹が鞄の中に...
「伊吹さん、ワイン呑む?」
誘ってみたけれど、伊吹は首を振る。
「ん? へえ、伊吹さん、これ牛蒡のスープだって」
さっき伊吹が鞄の中に...
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登録日 2017.09.23 22:07
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(2)アップ...
(それに、どうしてアシャは機嫌が悪いんだ?)
じんじん痛む右脇腹を押さえながら考える。
いつもなら、ユーノの無謀さを諌めはしても、こういう手荒い教え方をしな...
じんじん痛む右脇腹を押さえながら考える。
いつもなら、ユーノの無謀さを諌めはしても、こういう手荒い教え方をしな...
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登録日 2017.09.23 22:05
『彼岸の光景』7(最終話) アップ。
現実には何一つ変わったことが起きなかったその夜、私は久しぶりに曾祖母の夢を見た。
夢の中で、私は大学受験のころに戻り、曾祖母はいつもの部屋で臥せっている。も...
夢の中で、私は大学受験のころに戻り、曾祖母はいつもの部屋で臥せっている。も...
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登録日 2017.09.22 20:18
『闇を闇から』11.イン・ジ・エアー(2)アッ...
背中からは『きたがわ』の照明、真横からは木々を飾ったイルミネーション、その光に照らされて、携帯を耳にあてて見上げてくる伊吹の顔が、まるで闇夜に浮かぶ月のようで...
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登録日 2017.09.22 20:17
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(4)(個人...
昨日夜半、アシャはラズーンからの通達を受け取っていた。キャサランの『運命(リマイン)』侵攻は確実、キャサランを通る限り『運命(リマイン)』との正面衝突は避けら...
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登録日 2017.09.22 20:16
『彼岸の光景』6 アップ。
ピンポーン。
間抜けたベルが唐突になった。
そうそう、忘れていた。今日は温水器の点検の日、この前のときはぼんやりしていて、用事を入れて出掛けてしまったので...
間抜けたベルが唐突になった。
そうそう、忘れていた。今日は温水器の点検の日、この前のときはぼんやりしていて、用事を入れて出掛けてしまったので...
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登録日 2017.09.21 11:45
『闇を闇から』11.イン・ジ・エアー(1)アッ...
京介が何とか気持ちを立て直しつつ、崩れそうなのを堪えられたのは、伊吹が大輔の餌食になってしまわないかというただ一点。
だが、その伊吹は目の前で鮮やかに大輔を...
だが、その伊吹は目の前で鮮やかに大輔を...
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登録日 2017.09.21 11:43
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(3)(個人...
「つうっ!」
「痛いのは当たり前だ」
アシャは眉を寄せてユーノを睨みつけた。
ベッドに横になったユーノの腰に、包帯を巻きつけながらことばを継ぐ。
「人が心配...
「痛いのは当たり前だ」
アシャは眉を寄せてユーノを睨みつけた。
ベッドに横になったユーノの腰に、包帯を巻きつけながらことばを継ぐ。
「人が心配...
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登録日 2017.09.21 11:42
『彼岸の光景』5 アップ。
「おかあさん!」と子どもが呼んで、はっと目が覚めた。突然、体が冷えきっていたのが、ざあああああっと音をたてて血が駆け巡って、我に返る。子どもは眠っていて、寝言...
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登録日 2017.09.20 21:16
『闇を闇から』10.砕かれたガラス(10)アッ...
「ふ、ぅ」
大輔が姿を消して数分、携帯を耳に当てたままだった美並は、ようやく溜め息をついて指から力を抜いた。
「危ない危ない」
予想以上にとんでもない男だっ...
大輔が姿を消して数分、携帯を耳に当てたままだった美並は、ようやく溜め息をついて指から力を抜いた。
「危ない危ない」
予想以上にとんでもない男だっ...
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登録日 2017.09.20 21:15
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(1)アップ...
飛び込んで来た男は困惑した顔でユーノを振り向いた。
「お仲間…です、よね?」
「ああ」
ユーノはじろりとイルファを見やった。
「人が闘っているのに、のんびり...
「お仲間…です、よね?」
「ああ」
ユーノはじろりとイルファを見やった。
「人が闘っているのに、のんびり...
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登録日 2017.09.20 21:12
『彼岸の光景』4 アップ。
そのとき、何だか、曾祖母との約束が甦ったのだ。
交わしてしまったあの約束は、ひょっとして両親を看取るという意味だったのか。弟は家を出てしまったし、そうなると...
交わしてしまったあの約束は、ひょっとして両親を看取るという意味だったのか。弟は家を出てしまったし、そうなると...
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登録日 2017.09.19 12:56
『闇を闇から』10.砕かれたガラス(9)アップ...
「昔から得意でしたよ、そういうのは」
美並に向けて、大輔は満足そうに嗤う。
「そうでしょうね」
「ここぞという時はぎゅっと締めてきてね、こっちを天国に追いやっ...
美並に向けて、大輔は満足そうに嗤う。
「そうでしょうね」
「ここぞという時はぎゅっと締めてきてね、こっちを天国に追いやっ...
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登録日 2017.09.19 12:55
『ラズーン』第二部 10.二つの塔(1)(個人...
「あつ…」
小さく呻いて、ユーノは目を覚ました。
右脇腹に鈍い痛みが澱んでいる。手を伸ばして触れてみると妙な熱っぽさが伝わってきた。
(月獣(ハーン)の傷か...
小さく呻いて、ユーノは目を覚ました。
右脇腹に鈍い痛みが澱んでいる。手を伸ばして触れてみると妙な熱っぽさが伝わってきた。
(月獣(ハーン)の傷か...
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登録日 2017.09.19 12:54
『彼岸の光景』3 アップ。
朝食を済ませると、どうしようかとは迷ったけれど、パソコンに向かってHPをのぞきにでかけた。
子どもが学校から帰るのがかなり遅くなって、それなりに時間もできた...
子どもが学校から帰るのがかなり遅くなって、それなりに時間もできた...
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登録日 2017.09.18 19:15
『闇を闇から』10.砕かれたガラス(8)アップ...
「あ…」
ネクタイを落としてしまって、京介はのろのろと拾う。
早く急がないとと思うのに、体がぐずぐずに崩れてしまったような感覚で、指にもうまく力が入らない。...
ネクタイを落としてしまって、京介はのろのろと拾う。
早く急がないとと思うのに、体がぐずぐずに崩れてしまったような感覚で、指にもうまく力が入らない。...
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登録日 2017.09.18 19:14
『ラズーン』第二部 9.生贄(4) アップ。
緩やかに頭を上げ、消えていく夜空を見上げ、ユーノ達を眺める。その後ろで、明け始めた夜にしがみつくように消えていく仲間達が次第次第に遠ざかっていく。
一瞬、彼...
一瞬、彼...
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登録日 2017.09.18 19:13