『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
のろのろと視線を上げる美並に、時計の宝石を煌めかせながら大石が魚を口に運ぶ。
「………僕は君のことを……忘れたことなどない」
ためらって、低く、呟いた。
「奈保...
「………僕は君のことを……忘れたことなどない」
ためらって、低く、呟いた。
「奈保...
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登録日 2017.10.22 13:31
『ラズーン』第二部 13.麦の女王(2)(個人...
「いいか、レス」
開き気味の瞳孔の奥を意識で貫くように見つめながら、アシャはことばを継いだ。
「お前は俺達の仲間だ。なくてはならない人間だ」
「おい、アシャ、...
開き気味の瞳孔の奥を意識で貫くように見つめながら、アシャはことばを継いだ。
「お前は俺達の仲間だ。なくてはならない人間だ」
「おい、アシャ、...
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登録日 2017.10.22 13:29
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
「…は?」
「僕のプロポーズを、断ったじゃないか」
歯ぎしりするような声で大石は繰り返した。
「僕は、必死だったのに、何の連絡もくれなかった」
何を言ってい...
「僕のプロポーズを、断ったじゃないか」
歯ぎしりするような声で大石は繰り返した。
「僕は、必死だったのに、何の連絡もくれなかった」
何を言ってい...
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登録日 2017.10.21 08:59
『ラズーン』第二部 13.麦の女王(1)(個人...
「考えたんだが」
アシャが切り出したのは、キャサランを出て隣国のアグナイに入り、二日ほどたった夜のことだった。
乾いた空気は冷え冷えとしたものを含んで、人に...
アシャが切り出したのは、キャサランを出て隣国のアグナイに入り、二日ほどたった夜のことだった。
乾いた空気は冷え冷えとしたものを含んで、人に...
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登録日 2017.10.21 08:58
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
「牟田、相子、を知ってるよね?」
「牟田さん?」
「真崎さんとずっと付き合っていた」
「うん」
「彼女は……僕の幼馴染みで、今僕のところで働いている」
「岩倉、産...
「牟田さん?」
「真崎さんとずっと付き合っていた」
「うん」
「彼女は……僕の幼馴染みで、今僕のところで働いている」
「岩倉、産...
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登録日 2017.10.20 17:52
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
(進もう、前へ)
「お待たせ!」
「おお、ずいぶん待ったぞ!」
「いいお天気だよ!」
「……調子がおかしくなったらすぐに言えよ?」
瞳を細めるアシャに片目をつぶ...
「お待たせ!」
「おお、ずいぶん待ったぞ!」
「いいお天気だよ!」
「……調子がおかしくなったらすぐに言えよ?」
瞳を細めるアシャに片目をつぶ...
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登録日 2017.10.20 17:51
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
「どういうこと?」
「……真崎さんと付き合ってるって聞いたけど」
少しためらった大石はフォークで鴨をまとめ、ぐさ、と突き刺して上目遣いに美並を見た。
「本気?」...
「……真崎さんと付き合ってるって聞いたけど」
少しためらった大石はフォークで鴨をまとめ、ぐさ、と突き刺して上目遣いに美並を見た。
「本気?」...
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登録日 2017.10.19 21:12
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
「………」
答えがなくなってしまって、そっとそっと指を伸ばし、乱れ落ちたアシャの髪をかきあげた。
アシャは長い睫毛に光が当たっても目を開けない。すうすうと健や...
答えがなくなってしまって、そっとそっと指を伸ばし、乱れ落ちたアシャの髪をかきあげた。
アシャは長い睫毛に光が当たっても目を開けない。すうすうと健や...
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登録日 2017.10.19 21:10
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
よりにもよってここなのか。
溜め息まじりに美並は入り口の隣にかかった上品な木のプレートを見遣った。そこには『村野』と書かれている。
京介と初めて一緒に食事...
溜め息まじりに美並は入り口の隣にかかった上品な木のプレートを見遣った。そこには『村野』と書かれている。
京介と初めて一緒に食事...
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登録日 2017.10.18 08:48
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
目を開ける。
(あれ…?)
ユーノが考えたのは、今やっと眠ったばかりなのに、どうしてもう目が覚めてしまったんだろう、ということだった。
「……」
状況の把...
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登録日 2017.10.18 08:47
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
(ふ…)
どことも知れぬ場所でユーノは目を覚ました。重い空気、暗い空間。どこかで聞いたことのある高笑いがあたりの闇に谺している。
(そうだ……私…怪我を…)
そ...
どことも知れぬ場所でユーノは目を覚ました。重い空気、暗い空間。どこかで聞いたことのある高笑いがあたりの闇に谺している。
(そうだ……私…怪我を…)
そ...
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登録日 2017.10.17 14:20
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
部屋に戻って、美並はすぐにパソコンを開いた。それほど詳しいわけではないが、ネットぐらいは扱える。
大石との約束は八時にマンションの玄関、それは昔懐かしい待ち...
大石との約束は八時にマンションの玄関、それは昔懐かしい待ち...
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登録日 2017.10.17 14:19
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
足下が崩れていく。
思いつつ京介は席を立った。揺れそうになった体を何とか支えながら、机の上を片付けかけ、はた、と手を止める。
何をしようとしてる?
今走...
思いつつ京介は席を立った。揺れそうになった体を何とか支えながら、机の上を片付けかけ、はた、と手を止める。
何をしようとしてる?
今走...
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登録日 2017.10.16 08:50
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
「この塔は封印された」
静かに右手を降ろす。広範囲の出力、疲労も強いが、これだけ派手なことをやっていれば、好ましくない輩にアシャここにあり、と触れ回ったも同然...
静かに右手を降ろす。広範囲の出力、疲労も強いが、これだけ派手なことをやっていれば、好ましくない輩にアシャここにあり、と触れ回ったも同然...
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登録日 2017.10.16 08:49
『ラズーン』第二部 12.『白の塔』の攻防(...
「……っっっ」
いきなりすべての意識と感覚がその空白になった部分に注ぎ込まれ叩き込まれ、呑み込まれ、圧倒される。
自分の顔が表情を消したのがわかった。脚がゆっ...
いきなりすべての意識と感覚がその空白になった部分に注ぎ込まれ叩き込まれ、呑み込まれ、圧倒される。
自分の顔が表情を消したのがわかった。脚がゆっ...
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登録日 2017.10.15 23:42
『闇を闇から』第二章 2.リフル・シャッフ...
なぜ、それを。
今度は、そんなことを正面から聞くほど、京介は無防備にはなっていなかった。
「向田駅の近くのホテルですね」
『部屋をとっています』
「え?」...
今度は、そんなことを正面から聞くほど、京介は無防備にはなっていなかった。
「向田駅の近くのホテルですね」
『部屋をとっています』
「え?」...
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登録日 2017.10.15 23:41