『ラズーン』第四部 8.使者(5) (個人サ...
「はい」
ユーノは、弾けば響く立風琴(リュシ)のように、軽々と応じた。
「わかっています。使者とはいえ、『泉の狩人』(オーミノ)に気に入られなければ岩とかげよ...
ユーノは、弾けば響く立風琴(リュシ)のように、軽々と応じた。
「わかっています。使者とはいえ、『泉の狩人』(オーミノ)に気に入られなければ岩とかげよ...
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登録日 2018.07.29 11:28
『闇を闇から』第4章 10.ホール・カード(5...
自分には人にはない特殊な感覚がある。
それは苦痛をもたらしてきたけれど、どこかでそれでも自負があったのかもしれない、能力を使うことによる優越感。
けれど真...
それは苦痛をもたらしてきたけれど、どこかでそれでも自負があったのかもしれない、能力を使うことによる優越感。
けれど真...
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登録日 2018.07.28 07:06
『ラズーン』第四部 8.使者(5) (個人サ...
「、ふっ…」
詰めていた息を吐いて、ユーノはぼんやり眼を開けた。
冷えきった額の『聖なる輪』(リーソン)がきつく締めつけてきて我に返ったらしい。ぶるっ、と小...
詰めていた息を吐いて、ユーノはぼんやり眼を開けた。
冷えきった額の『聖なる輪』(リーソン)がきつく締めつけてきて我に返ったらしい。ぶるっ、と小...
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登録日 2018.07.28 07:05
『segakiyui短編集』『テリトリー』
「今回の依頼は簡単やったなあ」
桂がゆらゆら体を揺らせながら夜道を先へ進む。
「そうか?」
蔵の中に居たのは大層な化け物だったし、例によって家人は解決を望ん...
桂がゆらゆら体を揺らせながら夜道を先へ進む。
「そうか?」
蔵の中に居たのは大層な化け物だったし、例によって家人は解決を望ん...
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登録日 2018.07.27 09:25
『闇を闇から』第4章 10.ホール・カード(4...
泣き寝入りなんかしたのは、何年ぶりだろう。
目が覚めると頭が痛くて、瞼が腫れぼったかった。
「…ひどい顔だなあ」
鏡に向かって呟く。
泣いて泣いて泣いて...
目が覚めると頭が痛くて、瞼が腫れぼったかった。
「…ひどい顔だなあ」
鏡に向かって呟く。
泣いて泣いて泣いて...
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登録日 2018.07.27 09:24
『闇を闇から』番外編 『迷子の迷子の』(5...
「……ああ」
ベッドで起き上がって、ぼんやりした。
「そういう……ことか」
カレンダーを眺める。
次の瞬間、ふ、っと夢が消えてしまった感覚にうろたえる。...
ベッドで起き上がって、ぼんやりした。
「そういう……ことか」
カレンダーを眺める。
次の瞬間、ふ、っと夢が消えてしまった感覚にうろたえる。...
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登録日 2018.07.27 09:23
『ラズーン』第四部 8.使者(1) アップ。
どこからか、耳を覆いたくなるような哄笑が聞こえてくる。
何を望んだ。
哄笑は、そうことばになった。
何を夢見た。
嘲り笑いながら、誰かが尋ねる。
分...
何を望んだ。
哄笑は、そうことばになった。
何を夢見た。
嘲り笑いながら、誰かが尋ねる。
分...
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登録日 2018.07.27 09:21
『闇を闇から』番外編 『僕を探して』(5)...
「……おはよ」
目覚めたのはベッド。
美並はいない。
そりゃ、そうだ、だって今日は。
枕元の携帯が鳴る、愛しい人の音色で。
目覚めたのはベッド。
美並はいない。
そりゃ、そうだ、だって今日は。
枕元の携帯が鳴る、愛しい人の音色で。
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登録日 2018.07.26 07:47
『ラズーン』第四部 8.使者(3) (個人サ...
………それは不思議な感覚だった。
寒いのに暖かい。四肢の先は凍えて痺れているのに、体はどこか仄温かく、その温もりはユーノを寛がせると同時に、なぜか不安にさせた...
寒いのに暖かい。四肢の先は凍えて痺れているのに、体はどこか仄温かく、その温もりはユーノを寛がせると同時に、なぜか不安にさせた...
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登録日 2018.07.26 07:47
『segakiyui短編集』『オンリーワン』
たかやの葬式も初七日も四十九日も一通り済んでしまって、周囲には妙にぽかんとした平穏が戻ってきた。
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登録日 2018.07.26 00:02
『闇を闇から』番外編 『迷子の迷子の』(4...
広々とした入り口には誰もいない、門番さえも。
招くように両側から競り上がっていく真っ白な絨毯を敷かれた階段、その先は正面に浮かぶ半透明の扉の中へ。
「行こう...
招くように両側から競り上がっていく真っ白な絨毯を敷かれた階段、その先は正面に浮かぶ半透明の扉の中へ。
「行こう...
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登録日 2018.07.25 23:59
『ラズーン』第四部 8.使者(2) (個人サ...
ユーノがことさら急いだのには、もう一つわけがあった。
『狩人の山』(オムニド)へ入るには『氷の双宮』から抜けていくのが一番の近道なのだが、『氷の双宮』を囲む...
『狩人の山』(オムニド)へ入るには『氷の双宮』から抜けていくのが一番の近道なのだが、『氷の双宮』を囲む...
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登録日 2018.07.25 23:59
『闇を闇から』番外編 『僕を探して』(4)...
「凄いね」
広々とした入り口には誰もいない、門番さえも。
招くように両側から競り上がっていく真っ白な絨毯を敷かれた階段、その先は正面に浮かぶ半透明の扉の中へ...
広々とした入り口には誰もいない、門番さえも。
招くように両側から競り上がっていく真っ白な絨毯を敷かれた階段、その先は正面に浮かぶ半透明の扉の中へ...
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登録日 2018.07.24 11:32
『ラズーン』第四部 8.使者(1) (個人サ...
(神よ! ラズーンの神々よ!)
神はとうにいないのだ、とユーノは知っていた。遥か太古にこの地を去り、ラズーンの滅びを見越して、なお生き延びろと命じた神々は、既...
神はとうにいないのだ、とユーノは知っていた。遥か太古にこの地を去り、ラズーンの滅びを見越して、なお生き延びろと命じた神々は、既...
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登録日 2018.07.24 11:31
『闇を闇から』番外編 『迷子の迷子の』(3...
白い宮殿。
京介と二人で夜道を辿って、ホームへ戻ったのかと思えばそこは、モスクを思わせる小さな白い宮殿だった。
「あれ? 遊園地は?」
「遊園地?」
「今そ...
京介と二人で夜道を辿って、ホームへ戻ったのかと思えばそこは、モスクを思わせる小さな白い宮殿だった。
「あれ? 遊園地は?」
「遊園地?」
「今そ...
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登録日 2018.07.23 12:27
『ラズーン』第四部 7.『泉の狩人』(オー...
ユーノの声が波打つ意識の向こうで響く。
(俺は)
「ちょっとだけ……私に『守り札』、ちょうだいね」
頬に押しつけられた柔らかな温かみ、すぐに離れたそれを求めて...
(俺は)
「ちょっとだけ……私に『守り札』、ちょうだいね」
頬に押しつけられた柔らかな温かみ、すぐに離れたそれを求めて...
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登録日 2018.07.23 12:27