『桜の護王』11.葛城(3)アップ。
「暴れるしやんか」
妙に白々とした感情のない声で綾香が続ける。
「こんなん残しといたら…後で日高に何言われることやら……」
「あ……や…っ…」
屈み込む気配にまた...
妙に白々とした感情のない声で綾香が続ける。
「こんなん残しといたら…後で日高に何言われることやら……」
「あ……や…っ…」
屈み込む気配にまた...
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登録日 2016.09.20 23:06
『BLUE RAIN』4.SILVER CORD アップ。
「『グランドファーム』へトータル・チェックに行ってきます」
ひょいと隣から覗き込んでスープが言った。
「わかった」
「俺がいない間に出かけないでくださいね?」...
ひょいと隣から覗き込んでスープが言った。
「わかった」
「俺がいない間に出かけないでくださいね?」...
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登録日 2016.09.20 01:34
『桜の護王』11.葛城(2)アップ。
(また……泣かせてしまう)
繰り返した夢の中のように。置いていくのかと震えながら笑っていた顔が頭の傷とは別の痛さで胸を焼く。
夜明け前に洋子を抱き締めて、護王...
繰り返した夢の中のように。置いていくのかと震えながら笑っていた顔が頭の傷とは別の痛さで胸を焼く。
夜明け前に洋子を抱き締めて、護王...
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登録日 2016.09.20 01:31
『BLUE RAIN』3.RED SHOES アップ。
ごろりと転がされた少女の顔を見た瞬間、ああやばいと思った。ついついやつを振り返る。
「何ですか?」
「来るな」
「大丈夫ですよ」
「来なくていい」
「俺だって...
「何ですか?」
「来るな」
「大丈夫ですよ」
「来なくていい」
「俺だって...
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登録日 2016.09.18 21:50
『桜の護王』11.葛城(1)アップ。
(…何か……薬を使われた…?)
ぞくりとした寒気が広がった。
洋子を殺すのではなく攫ってきたあたり、そしてまた、身動きできない状態で意識を戻せるように設定するあ...
ぞくりとした寒気が広がった。
洋子を殺すのではなく攫ってきたあたり、そしてまた、身動きできない状態で意識を戻せるように設定するあ...
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登録日 2016.09.18 12:17
『桜の護王』10.直面(ひためん)(15)アッ...
(護王)
遠い彼方の夢に、忠誠を受けたことがあるかと問いかけた覚えがあるような気がする。遥か昔に受けたそれを、今また確かに受け取った、そんな気がして胸が激しく...
遠い彼方の夢に、忠誠を受けたことがあるかと問いかけた覚えがあるような気がする。遥か昔に受けたそれを、今また確かに受け取った、そんな気がして胸が激しく...
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登録日 2016.09.17 22:40
『BLUE RAIN』公開開始。
ただし、18禁部分は伏せて(笑)。別サイトDWでは公開しています。ただし有料です。いや、自分が気恥ずかしいから(笑)。
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登録日 2016.09.16 02:48
『桜の護王』10.直面(ひためん)(14)アッ...
村上が掠れた声でつぶやいた。
「……凄絶な……美しさだな……まるで……彼が仕える神がここにいて、そのためにだけ舞っていると言いたげな…」
はっとしたように村上が洋子...
「……凄絶な……美しさだな……まるで……彼が仕える神がここにいて、そのためにだけ舞っていると言いたげな…」
はっとしたように村上が洋子...
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登録日 2016.09.16 01:55
『桜の護王』10.直面(ひためん)(13)アッ...
眠りかけていた洋子を揺り起こし、照れくさそうにそっぽを向きながらつぶやいて、滑り込むように体を重ねてきた。
とろけるようなつぶやきを何度も耳もとで聞いていた...
とろけるようなつぶやきを何度も耳もとで聞いていた...
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登録日 2016.09.15 01:02
『桜の護王』10.直面(ひためん)(12)アッ...
「二度と…会えへん」
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、...
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、...
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登録日 2016.09.13 21:48
『桜の護王』10.直面(ひためん)(11)アッ...
「つまり…花王紋があると、護王に気持ちが伝わるの?」
「気持ちちゅうか、傷、ちゅうか。姫さんがひどく傷ついたら、俺がその傷みを背負う………俺は『丈夫』にできてるさか...
「気持ちちゅうか、傷、ちゅうか。姫さんがひどく傷ついたら、俺がその傷みを背負う………俺は『丈夫』にできてるさか...
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登録日 2016.09.12 22:43
『桜の護王』10.直面(ひためん)(10)アッ...
「えーと…」
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう...
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう...
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登録日 2016.09.11 10:52
『桜の護王』10.直面(ひためん)(9)
「…姫…さん?」
低く掠れた声が洋子を抱き締めたまま、居心地悪そうに呼んだ。
「あんた……生きてるんや…?」
「うん……きついよ……ゆるめて…」
ようやく何とか応えら...
低く掠れた声が洋子を抱き締めたまま、居心地悪そうに呼んだ。
「あんた……生きてるんや…?」
「うん……きついよ……ゆるめて…」
ようやく何とか応えら...
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登録日 2016.09.10 23:40
『桜の護王』10.直面(ひためん)(8)
(これはいけない)
声は哀れみを込めて繰り返す。
(助けるつもりであったのに……これではそなたを追い詰めるばかりか)
誰?
問いかけた自分の声にいきなり視界...
声は哀れみを込めて繰り返す。
(助けるつもりであったのに……これではそなたを追い詰めるばかりか)
誰?
問いかけた自分の声にいきなり視界...
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登録日 2016.09.09 23:16
『桜の護王』10.直面(ひためん)(7)
「あたしは、あんたが、嫌いや」
洋子は吐き捨てた。
自分を裂くように言い捨てた。
「あんたの何もかもがうっとうしいねん。二度と顔も見とうない」
ぐいと首を...
洋子は吐き捨てた。
自分を裂くように言い捨てた。
「あんたの何もかもがうっとうしいねん。二度と顔も見とうない」
ぐいと首を...
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登録日 2016.09.08 21:42
『桜の護王』10.直面(ひためん)(6)
そんなことはない。洋子は護王に添いたくて、護王と一緒になれるかもしれないと思って、胸をときめかせながらやってきた。が、今となっては、その期待感さえも恥ずかしい...
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登録日 2016.09.08 00:52
『桜の護王』10.直面(ひた面)(5)アップ。
「あ、あの、ごめんなさい、そやから、その、ここに」
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がつい...
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がつい...
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登録日 2016.09.06 23:04
『桜の護王』10.直面(ひた面)(4)アップ。
(どうか……あたしにも、大切な人が現れますように)
物心ついてからずっと、茜と比較され続けてきた。洋子は洋子なりに頑張ってはみていたのだけど、それでも持って生ま...
物心ついてからずっと、茜と比較され続けてきた。洋子は洋子なりに頑張ってはみていたのだけど、それでも持って生ま...
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登録日 2016.09.05 12:48
『桜の護王』10.直面(ひためん)(3)アップ...
はら、と洋子の気持ちを察したように、目許すぐに桜の花が降り落ちてきて、息を呑んだ。風も止まっているのに、まだ満開でもないのに、いきなりふいに洋子を慰めるかのよ...
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登録日 2016.09.04 12:19
『桜の護王』10.直面(ひためん)(1)(2)ア...
「ここだ」
ごろりと寝転がってまっすぐに視線をやると、視界はピンクがかった白い靄に覆われている。ここなら枝の具合も、ほとんど目に入ってこない空の具合も、そっく...
ごろりと寝転がってまっすぐに視線をやると、視界はピンクがかった白い靄に覆われている。ここなら枝の具合も、ほとんど目に入ってこない空の具合も、そっく...
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登録日 2016.09.03 23:19