『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
「アオク……愛してるわ!」
「!!」
ふいに激しい叫びがエキオラの口から迸った。
びくりと身を震わせたアオクが、それでも振り返らぬまま拳を握って馬の背に伏せる。...
「!!」
ふいに激しい叫びがエキオラの口から迸った。
びくりと身を震わせたアオクが、それでも振り返らぬまま拳を握って馬の背に伏せる。...
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登録日 2017.04.28 09:19
『十分間』6アップ。
すぐに来るはずだった緊急患者は、三十分たっても現れなかった。
「まだ来てないの」
詰め所の中で、明日の検査に使う物品や、朝一番に渡す薬、動けない患者の体を拭...
「まだ来てないの」
詰め所の中で、明日の検査に使う物品や、朝一番に渡す薬、動けない患者の体を拭...
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登録日 2017.04.27 14:43
『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
「大丈夫」
にこりと笑ったユーノが、私も少し寝てこよう、と部屋を出ていくのを見送る。
(俺のやろうとしていることは)
結局あんたと同じなのか、ゼラン。
胸...
にこりと笑ったユーノが、私も少し寝てこよう、と部屋を出ていくのを見送る。
(俺のやろうとしていることは)
結局あんたと同じなのか、ゼラン。
胸...
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登録日 2017.04.27 14:38
『十分間』5アップ。
「片野さんは大路さんのチェックです。かなりおかんむりですよ」
喜田のことばが途切れるや否や、廊下から上半身を詰め所に突っ込んで、片野がいらいらと晶子を呼んだ。...
喜田のことばが途切れるや否や、廊下から上半身を詰め所に突っ込んで、片野がいらいらと晶子を呼んだ。...
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登録日 2017.04.26 18:45
『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
アシャの剣。
始めのうちこそ見守るアシャの視線に照れもしたが、教えられているものがゼランやこれまでの剣とは全く違う種類のものであることはすぐにわかった。
...
始めのうちこそ見守るアシャの視線に照れもしたが、教えられているものがゼランやこれまでの剣とは全く違う種類のものであることはすぐにわかった。
...
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登録日 2017.04.26 18:44
『十分間』4アップ。
「遅いじゃないか!」
水野はベッドの上に起き上がって、いらいらと晶子を待っていた。
眉をしかめたまま、うなるように一言、
「眠れないんだ。薬をくれ」
「すみ...
水野はベッドの上に起き上がって、いらいらと晶子を待っていた。
眉をしかめたまま、うなるように一言、
「眠れないんだ。薬をくれ」
「すみ...
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登録日 2017.04.25 21:20
『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
「冗談じゃないよ…」
さすがに困惑した顔で、ユーノは外していた剣帯を掴み、不安げに弄った。戸惑った横顔が久しぶりに年齢相応に見える。苦笑しながらアシャが近寄る...
さすがに困惑した顔で、ユーノは外していた剣帯を掴み、不安げに弄った。戸惑った横顔が久しぶりに年齢相応に見える。苦笑しながらアシャが近寄る...
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登録日 2017.04.25 21:19
『十分間』3アップ。
唇を噛んで見送った浅川が、いからせていた肩を落としてため息をつく。
「……あの人と働くの、嫌です…」
晶子だけになった気軽さからか、浅川はぽつりと愚痴をもらし...
「……あの人と働くの、嫌です…」
晶子だけになった気軽さからか、浅川はぽつりと愚痴をもらし...
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登録日 2017.04.24 21:57
『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
「ドヌーだ」
「え?」
アシャの声にアオクが固まる。しまったと思ったがもう遅かった。
「ドヌー? あの太古生物のドヌーか?」
確認してくる顔はみるみる色を失...
「え?」
アシャの声にアオクが固まる。しまったと思ったがもう遅かった。
「ドヌー? あの太古生物のドヌーか?」
確認してくる顔はみるみる色を失...
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登録日 2017.04.24 21:55
『十分間』2アップ。
申し送りでは、まず管理日誌が読まれる。
これで、患者の入退院、宿直医師、緊急時の避難方法、翌日の検査や手術の有無、受け持ち患者の配分などが確認される。また、...
これで、患者の入退院、宿直医師、緊急時の避難方法、翌日の検査や手術の有無、受け持ち患者の配分などが確認される。また、...
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登録日 2017.04.23 19:08
『ラズーン』第一部 15.クノーラスの異変(...
「……とすると?」
「俺にはさっぱりどうなったのか、わからん」
アシャの問いにアオクは困惑した表情で応えた。
机を囲んだユーノ、イルファ、アシャとアオク、それ...
「俺にはさっぱりどうなったのか、わからん」
アシャの問いにアオクは困惑した表情で応えた。
机を囲んだユーノ、イルファ、アシャとアオク、それ...
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登録日 2017.04.23 19:07
『十分間』1アップ。
看護師、小峰晶子が深夜勤務に出て来たとき、明かりの消えた廊下の端、詰め所前の面会者用ソファに、大崎弓子が座っていた。
「こんばんは」
声をかけると、はっとし...
「こんばんは」
声をかけると、はっとし...
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登録日 2017.04.22 11:11
『パセリがつぶやく』16 最終話アップ。
数カ月後、かほ子は退院することになった。
すぐに拒食傾向がなくなったわけではないが、それでも少しずつ食べられるようになって、体重もかなり増えた。
「結局、あ...
すぐに拒食傾向がなくなったわけではないが、それでも少しずつ食べられるようになって、体重もかなり増えた。
「結局、あ...
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登録日 2017.04.22 11:10
『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(4)...
「どなたなの、アオク」
細い声で尋ねるのに、アオクは安心させるように笑って振り返ってみせ、
「客人だ。問題ない。ユーノ、それにアシャだ」
「驚かせて申し訳あり...
細い声で尋ねるのに、アオクは安心させるように笑って振り返ってみせ、
「客人だ。問題ない。ユーノ、それにアシャだ」
「驚かせて申し訳あり...
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登録日 2017.04.22 11:08
『パセリがつぶやく』15アップ。
かほ子は怒りに燃えた目で、両親を、続いてゆかりをにらみつけた。
「親切ぶって……偽善者の顔して…」
「じゃあ、死んで」
ゆかりが、手にしていたリンゴを置き、異...
「親切ぶって……偽善者の顔して…」
「じゃあ、死んで」
ゆかりが、手にしていたリンゴを置き、異...
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登録日 2017.04.21 09:21
『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(12...
夜はいつのまにかとっぷり暮れて、月が頭上に昇っていた。
煌々と照らす光を浴びて、渡り廊下をアシャは進む。
ユーノに何の話があるんだと散々イルファに絡まれた...
煌々と照らす光を浴びて、渡り廊下をアシャは進む。
ユーノに何の話があるんだと散々イルファに絡まれた...
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登録日 2017.04.21 09:21
『コニファーガーデン』(25) 最終回アップ...
「マーリア?」
「ああもう信じられない!」
マリアは涙目になりながら、傾いたヘッドドレスを引っ張った。
「どういうこと? 昨日だってちゃんとセットして寝たのに...
「ああもう信じられない!」
マリアは涙目になりながら、傾いたヘッドドレスを引っ張った。
「どういうこと? 昨日だってちゃんとセットして寝たのに...
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登録日 2017.04.20 20:04
『パセリがつぶやく』14アップ。
焦点のぼやけた目で、かほ子はのろのろと顔を上げた。何もない、前方の空間を凝視する、そのかほ子の耳に注ぐように、ゆかりが続けた。
「痛いって。殺されるって。りん...
「痛いって。殺されるって。りん...
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登録日 2017.04.20 20:00
『ラズーン』第一部 14.ダノマの赤い華(11...
「…まさか」
「今までは本能的に避けられたのかも知れんが、その傷も、癖の隙をつかれてのものじゃねえかな」
お前ほど剣の才があって、しかもそんな幼い時から剣に親...
「今までは本能的に避けられたのかも知れんが、その傷も、癖の隙をつかれてのものじゃねえかな」
お前ほど剣の才があって、しかもそんな幼い時から剣に親...
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登録日 2017.04.20 19:59
『コニファーガーデン』(24) アップ。
「マリア・ビズコッド・グランシア」
「発音しにくいのは認めるわ」
フラウ・ダリンド画廊からの帰り、特別機の準備ができるのを待つ間、空港で名前を繰り返すクリスに...
「発音しにくいのは認めるわ」
フラウ・ダリンド画廊からの帰り、特別機の準備ができるのを待つ間、空港で名前を繰り返すクリスに...
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登録日 2017.04.19 08:25