では、資産がどれくらいあればFIREを検討してもよいのか。
「資産が数千万円程度では厳しいですし、逆に5億円というのは平均的な日本人の生涯年収を超えているので、資産が5億円あって暮らしていけないということは考えにくいです。一昔前は資産が1億円あれば運用で不安なく暮らしていけるといわれていましたが、現在ではインフレがあるので3億円くらいが目安になってくるのではないでしょうか。
米国債以外に分散投資するとすれば、個別の高配当銘柄は検討してよいかもしれません。配当というのは、いつなくなるのか分からないものではあるものの、今では多くの企業が株主還元を意識しているので、高めの配当の銘柄を広く買っておくというのは、ありかもしれません。また、倒産リスクの低いグローバルな優良米国企業の社債のなかには、利回り6%を超える銘柄もあるので、そういうものを買うというのも考えてよいかもしれません。
このほか、あえて不動産を検討するとすれば、利回りが確定しにくい面はあるものの、値下がりリスクが低いという意味では東京都心のマンションでしょうか。すでに価格が高い水準になっていますが、今後も価格が安定的に推移していくと考えられます。また、札幌や福岡など人口100万人以上の地方都市で注意深く場所を選んで購入するというのも手でしょう。
いずれにしても、日本は今後インフレが進展すると予想されており、資産を現金のみで貯めているだけでは目減りしてしまうので、適度な資産運用を心掛けるべきです」(志摩氏)
(文=Business Journal編集部、協力=志摩力男/トレーダー)