アステラス製薬が12日、2月5日に公表していた24年3月期通期業績予想の修正を発表。営業利益を830億円から130億円に、純利益を580億円から30億円に修正し、純利益は95%の下方修正となったことから、週明けに株価が下落するとの予想も広まっている。同社の期初当初の予想では純利益は2270億円となっており、約99%の下方修正となることから、期初の予想値の妥当性に疑問も広まっている。たび重なる下方修正の理由、そして製薬企業が抱える経営リスクについて専門家の見解を交えて追ってみたい。
「アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニーズ)の高い疾患分野において、未だ治療法のない患者さん、既存の治療法で十分な効果を得られない患者さんのために、革新的な医薬品の創出」(同社公式サイトより)に取り組むアステラス製薬。がん治療剤、白血病治療剤、神経症状治療剤などの分野で新規性の高い医療用医薬品を扱っている。
同社を代表する商品の一つが2012年に発売した前立腺がん治療剤「イクスタンジ」だ。同薬だけで年間売上高は7198億円(24年3月期予想)、全社売上の約46%を稼ぐ。このほか、免疫抑制剤「プログラフ」、過活動膀胱治療剤「ベタニス」など高いシェアを持つ薬も持っている。昨年5月には「イクスタンジ」に次ぐ柱となることが期待される女性の更年期障害を治す血管運動神経症状治療剤「ベオーザ」を米国で発売した。
その同社は今年度、4度にわたり業績見通しの下方修正を発表している。
期初予想 8月修正値 11月修正値 2月修正値 4月修正値
売上高 1兆5200億円 1兆6080億円 1兆5620億円 1兆5620億円 1兆5620億円
営業利益 2880億円 2590億円 1230億円 830億円 130億円
純利益 2270億円 2040億円 850億円 580億円 30億円
営業利益・純利益ともに当初見通しより大幅な減少となっており、また下方修正が4度にもわたっているため、アステラス製薬が当初発表した数値は妥当ではなかったのではないか、なんらかの意図を持って高めの数値を発表していたのではないかという見方も広まり、SNS上では以下のような声が続出している。
<最初は純利益予想が2,270億で、今は30億ですか 見通しを立てにくかった理由が あるのでしょうかね>
<流石にやらかし過ぎでは…>
<何回下方修正するんだって感じ。底が見えない>
<恐怖のアステラス製薬 今が買い時と言われ続けて、、、>
<すでに10%以上の含み損。週明けが怖い 損切りするか、さらなるナンピンか アステラスは永久保有株と言われて買ったけど、株に永久保有なんて無いわな>
<月曜日のアステラス製薬は焼き豚祭りになりそうですね 追証もいっぱい出そうだから、底値を拾いたいですね>
<夜間PTSで アステラス製薬300株買ったけど すぐに-4,700円で損切りしました 予想以上に下げが強くて 完敗です>
<個人的に、減損は好材料と見ています。減損により、資産は軽くなり、翌期以降の償却費も減るので、将来的にプラスに働くと考えています>
<すでに18%の含み損 常に買い増しチャンスと言われ ずっと下がっている 君の名は【アステラス製薬】月曜怖い。私は長期ガチホで行くけど ホルダーさんどうしますか?>
<配当性向がかなりまずい気が 減配になったら恐ろしい株価になりそう>
つばめ投資顧問アナリストの佐々木悠氏はいう。