2022東京ヤクルトスワローズ髙津流 熱燕マネジメント

髙津監督が見せた「悔し涙」の理由
「来季絶対やり返してやる」という強い思い

(インタビュアー:長谷川晶一)

――前回に引き続き、今回もオリックス・バファローズとの日本シリーズについて伺います。第2戦では内山壮真選手の代打同点スリーランホームランもありました。このシリーズにおいて、監督の中でインパクトがあった場面、印象に残っている場面はありますか?

髙津 うーん、どうですかね? 強いて挙げるとすれば、(山田)哲人の内野安打かな? もちろん、壮真のスリーランも当然、嬉しかったですけど、ちょっとホッとした部分が大きかったのは、哲人に1本出た、あの内野安打が印象に残っていますね。

――1勝1分で迎えた第3戦。ヒットの出ていない山田哲人選手を一番打者として起用。3回表の第2打席で、決していい当たりではなかったけれど、ここで山田選手はシリーズ初安打となるセカンドへの内野安打を放ちました。それが、この日の先制、決勝3ランホームランにもつながりました。この場面が印象に残っている理由を教えてください。

髙津 彼の心情を考えると、やっぱり苦しかったと思います。なかなか打てないことの責任を感じていたと思うので、決して当たりはよくなかったですけど、ああやって出塁した。それまでフォアボールは何個も取っているんですけど、内容は悪くても打って出塁したということは非常に大きかったのかなと思います。彼自身にとっても、ヒットが1本出た。「H」のランプがついたということ。それは、僕も彼と同じかどうかはわからないですけど、哲人の心中を考えるとホッとしましたね。

――マクガフ投手を、第5戦目、第6戦目と続けて起用しました。これも、これまで言ってきた「彼への信頼は揺らがない」ということの1つの証だったと思うのですが、このシリーズにおけるマクガフ投手についてはどう振り返りますか?

髙津 点数をつけるとすると満点ではないことは確かですね。うまくいかなかったことの方が多かったと思います。今までできていたことができなかったりその逆の事が起きたりするのがするのが日本シリーズだと思うので、そこが今まで通りにいかなかった部分だと思います。ただ、我々の形としては、8回に清水(昇)が投げて、9回にスコット(・マクガフ)が投げるという形を1年間やってきたので、「それを引き続き日本シリーズでも」と思ってやった結果が、うまくいかなかったというところでした。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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