――先ほどお話が出た10月3日のシーズン最終戦で、日本中が見守る中で村上宗隆選手が56号を放ち、大きな話題となりました。あの日を振り返っていただけますか?
髙津 その日の朝、ムネと顔を合わせたとき、バッティング練習を見ているとき、しゃべったとき、前日までとはちょっと違うリラックスした雰囲気を感じました。僕はバッティングのことはよくわからないけど、前日のタイガース戦を休んだことですごくリラックスできたように見えたし、よく打っていた頃と同じようなスイングに戻っていたような気がしました。
――「今日は打ちそうだ」という予感のようなものはありましたか?
髙津 「今日、打っても不思議じゃないな」とは思いました。もちろん、相手のあることだから、いいところに投げられればどんなに調子がよくても打てないかもしれないけど、心身ともにコンディションはいい感じだったので、「可能性はあるな」とは思っていました。
――この試合では、それぞれパ・リーグから移籍してきた内川聖一選手、坂口智隆選手、そして嶋基宏選手が今シーズン限りでの退団、引退セレモニーを行いました。去りゆくベテラン選手たちに対して、監督からも心のこもったメッセージが披露されました。
髙津 今、お話があったように、彼らは3人ともパ・リーグから移籍してきて、それぞれスタートは違えど、ゴールがみんなスワローズだったということは、たまたまかもしれないけど、最後にスワローズを選んでくれて、後輩達にいろんなものを残しユニフォームを脱いでくれたことはすごくありがたいと思いました。「ピークを過ぎた」と言ったら失礼かもしれないけど、決して全盛期ではない中で、懸命にチームのためにプレーしてくれました。スワローズに来てくれて本当に感謝しています。