――ある程度の緊張感やプレッシャーは必要なものだとして、それをきちんと結果に結びつけるために気をつけることなどはありますか?
髙津 先ほども言ったように、緊張やプレッシャーでガチガチに固まってしまうと、絶対にいい結果は生まれないし、自分の実力を100%発揮することは難しいと思いますね。けれども、緊張感やプレッシャーがないと絶対にいい結果も生まれない。ガチガチになる緊張感は必要ないけれど、緊張感を持って臨むこと、緊張感を持って取り組むことは絶対に必要です。
――いい緊張と悪い緊張。必要なプレッシャーと不必要なプレッシャーがあるということですね。
髙津 たとえば、相手チームに対してであったり、自分自身であったり、チーム内のライバルであったり、「ここで頑張らなければならない」というときには緊張やプレッシャーは大きな武器になると思います。でも、グラウンドに立っていないときまでそんな思いでいる必要はない。ガチガチの緊張もダメだし、緩みっぱなしもダメだし、その辺りのバランス、メリハリはきちんとつけてほしいですね。
――1990年代の野村克也監督時代、クラブハウスではワイワイにぎやかに過ごしていても、いざグラウンドに出ると厳しさが全面に出ると、当時の方々はみんな話しています。あの当時のような雰囲気が理想形なのでしょうか?
髙津 確かにあの頃の雰囲気はそうでした。やはり、クラブハウスでの過ごし方というのはとても大事だと思います。そこが勝敗に直結するとは言い切れないですけれども、チームとして成功するためには、グラウンド内のことだけを注意していればいいというわけではないと思いますね。グラウンド外でコミュニケーションを深めたり、先輩後輩のいい関係を築いたり、日本人、外国人の壁を取り払ったり、いろいろなことが生まれる場所だと思います。クラブハウスというところは、みんなでリラックスして、「よし戦うぞ」という思いになれる場所であってほしい。そうすれば、クラブハウスでの会話が役に立つこともあるだろうし、それが試合における集中力にもつながると思いますね。
――最後に、シーズン途中での「2年間の契約延長」が発表されました。これによって、さらに腰を据えて中長期的な目標に取り組むことも可能になりましたね。
髙津 もちろん、いろいろなことに挑戦できるということも可能になりました。けれども、まずは「またみんなと一緒に野球ができる」という嬉しさがいちばんですね。ただ、2年間延長した分、チームとしてもっと強く、もっと大きくしていかなければいけないというプレッシャーはあります。自分のことで言いづらいですけど、僕自身も、チームとしても、足元を見つめてコツコツと、精神的にも肉体的にも強くなりたいと思っています。