――今回は、まさにその点を伺おうと思っていました。順調なときにこそ、足元をすくわれないように慎重になることはとても重要だと思います。その点については、どのようなことを意識していますか?
髙津 選手たちはいつもプレッシャーを感じながらプレーしているし、我々指導者も緊張感を持って指揮を執っています。でも、緊張をすること、プレッシャーを感じることは勝負ごとにおいてはとても重要なことだと思っています。そういうものを持っていないと、やっぱりどこかにスキが生まれたり、勝手に自分でいい方に想像したりして、足元をすくわれたり、うまくいかなかったときにその反動が来てしまったりすると思います。
――戦う上では緊張も、プレッシャーもある程度は必要なものだというお考えですか?
髙津 もちろんそうです。試合中にはピリピリするような緊張感を持って、クラブハウスにいるときにはリラックスする。ゲームに入れば、「どうやったら勝てるんだろう?」「どうやったら1点を取れるのだろう?」「どうやったら1点を防げるのだろう?」と常に緊張感を持って考えなければいけない。そんな思いは持っています。
――仮に選手たちに気の緩みが感じられたら、監督としてはどのように気持ちを引き締めていくのですか?
髙津 いやいや、特に締めないですよ(笑)。というか、そもそも僕たちは前向きなチームなので、どちらかと言うと、誰かが声を出して盛り上げて、みんなが盛り上がっていくチームなので、そんなに浮かれてしまう心配はしていないですし、今のところはそんな感じはないですよ。
――バースデーホームランを打った翌日、塩見泰隆選手が「相手に失礼だった。少し浮かれすぎてしまった」という趣旨の反省の弁を述べていたのが印象的でした。あの発言はすごくいいなと思いました。
髙津 あ、あのコメントはとてもいいですね。確かに相手からしたら、あまりいい気分のものではなかったと思います。本人としては最高に気分がよかったと思うけど、すぐに反省ができたのは、あの塩見にしては素晴らしいコメントだと思いました(笑)。
――あの発言は、監督から注意をしたものではないんですね。
髙津 いえいえ、僕は言っていません(笑)。彼の素直な思いだと思います。今のところは「気の緩み」の心配よりも、「勢い」「元気」という、いい部分の方が勝っているので、現時点では僕はあまり気にしていません。