――チームの勝利であれ、敗戦であれ、その責任をすべて背負うのがクローザーであると高津監督はお考えですか?
高津 もちろん、きちんと抑えてチームが勝てば、勝利の喜びをみんなで分かち合います。でも、自分が打たれてチームが負けたら、それは自分で背負うしかない。厳しい言い方になるけど、誰かに慰めてもらったって自分の力になるわけじゃないですから。どんなに辛いときにも、辛い姿を見せない。しんどいところを決して見せない。それがいちばんしんどいことなんですけれどね。
――現役時代の高津監督もそうだし、現在の石山投手は、それだけの重いものを背負いながらクローザーを務めているわけですね。
高津 元々の性格かどうかはわからないけど、石山は自分の感情を表情や態度に出す男じゃありません。だから、その立ち居振る舞いから、彼がどんな感情なのか、どんな心境なのかはつかみづらいかもしれない。でも、彼は必ず元の石山に戻りますよ。ただ、今はめちゃくちゃ苦しい時期だと思いますよ。
――本人に対して、監督は何か声をかけたのですか?
高津 5月21日の横浜DeNAベイスターズ戦でリリーフ失敗した後、22日の試合は石山をベンチ入りさせませんでした。そのときに、これからの過ごし方、気持ちの持ち方のようなものは直接彼に話をしました。彼に当てはまるかどうかはわからないけど、僕自身が経験したことを話しました。
――現在、日本で最も説得力のある言葉を吐ける監督ですからね。
高津 説得力があるかどうかはわからないけど、チームの中でいちばん、石山の気持ちを理解しているという自負はありますね(笑)。