――投手起用についてさらに伺います。今年は先発投手をあまり引っ張ることなく、スパッと交代する印象があります。たとえば、3日の対巨人戦、先発の田口麗斗投手は7回88球、4日の金久保優斗投手は5回80球、6日の対広島戦、スアレス投手は6回87球などなど、100球どころか80球台で交代しています。これは長いペナントレースを見据えての交代劇なのでしょうか?
高津 いえ、僕だって先発投手に対しては、基本的に1球でも多く、1イニングでも長くという思いは持っています。結果的に80球過ぎに先発投手を交代しているのは、あくまでもボールの状態を見ての判断です。状態がよければ、「もう1イニング行こう」と考えるけど、「ちょっとボールの勢いが落ちてきたな」と感じたら、そこでスパッと交代するようには意識しています。
――先ほどお話にも出ましたが、中継ぎ陣の踏ん張りも見逃せないポイントですね。
高津 マクガフ、清水(昇)、石山の後ろの三人はもちろん、現状では近藤(弘樹)、今野(龍太)、坂本(光士郎)らが本当によく頑張っていますね。リードしている場面では「きちんと後ろの三人につなげられるか?」が大きなポイントになるし、ビハインドの場面でも、「点差を広げられずに、いかに味方の攻撃のリズムを作れるか?」が大切になるし、いずれにしても、彼らの役割はとても大きいです。
――開幕してまだ一カ月ですが、ここまで先発、中継ぎともに、投手陣全体が好調な理由はどのように分析されますか?
高津 どうですかね? 強いて言えば、監督就任以来ずっと言い続けてきた「粘り強く投げろ」「1点にこだわれ」ということが少しずつ選手たちに浸透してきたのかもしれないですね。技術的にどうこうというよりも、精神的に「とにかく粘るぞ」「ここで踏ん張るぞ」という意識は、昨年よりもずっと強くなったと思います。
――まだまだペナントレースは始まったばかりですが、離脱選手や来日が遅れていた外国人選手たちも合流し、少しずつ戦力が整ってきました。改めて5月以降の抱負をお願いします。
高津 外国人選手の合流が遅れていたのはうちのチームだけではないけど、各チームそれぞれ戦力が整って、ある意味では再び仕切り直しというのか、ここで新たにシーズンが始まるような意識も持っています。いい形で戦い続け、何とか上位に食らいつき、これからも頑張ります。「応燕」のほど、よろしくお願いいたします!