こんにちは、感情コミュニケ―ション術専門家の沖本るり子です。今回は、日々の生活において“やる気”を維持するために重要な、「マンネリ」から脱却する方法についてお話します。実は、本来“やる気”とは、それほど長続きするものではありません。なぜなら、人には「マンネリ」という敵がおり、常に“やる気”の邪魔をするからです。この「マンネリ」をどうすれば撃退できるかを知っておくと、“やる気”を出したいときにとても役立ちます。ぜひ、覚えておきましょう。
基本的に日常生活は同じことの繰り返しで、どうしても単調になりがちです。特に仕事をしている人の生活は仕事中心に回っていくため、変化に乏しくなります。こうした生活の中では行動が習慣化して、無意識に目の前のことをこなすことも少なくないでしょう。皆さんの生活を考えてみても、当てはまる点がありませんか?
冒頭で「“やる気”とは、もともと長続きするものではない」と言いましたが、こうした同じことの繰り返しの毎日をただ何となく過ごしていると、どうしても「飽き」がきます。放っておくと、何をするにも気持ちが入らなくなって、“やる気”は遠のいてしまうのです。実は“やる気”の敵は、同じことをくり返すことではなく、この心の「マンネリ」なのです。
では、こうした心の「マンネリ」から一歩踏み出すためには、どうすればいいのでしょうか? それには、自分の周りの「他人」に目を向けてみることです。心が「マンネリ」していると「他人」にも無関心になりがちですが、そういうときこそ、あえて「他人」を意識するのです。なぜなら、自分の「マンネリ」化した心に刺激を与えることができるのは、ほかならぬ「他人」だからです。
ここでの「他人」とは、身近な人でも、そうでなくても構いません。自分とどんな関係かは問題ではなく、全く違う環境にいる人でも構いません。世の中には、あまり恵まれているとは言えない環境の下でも幸せそうに生きている人や、どんな過酷な状況においても「精神力」や「行動力」を発揮して、たくましく生きている人がたくさんいます。そういった人も含めて、自分の目線で見たときに「光るもの」を持っている人が、自分の心を刺激してくれるのです。まずは、そういう「他人」を探してみましょう。
こうした「他人」の存在に気づくためには、「他人」の話をよく聞いたり、いつもは見ないようなテレビ番組を見たり、ネットニュースを読んだりするなどして、「他人」を知るためのアンテナを張ることが必要になります。また、読書をしたり映画を見たりする時間を作って、その登場人物に目を向けることもおすすめです。
「他人」の優れた点を知ることは、「自分にも、もっとできることがあるはず」という前向きな気持ちにしてくれます。さらに、その「他人」と自分を「比較する」と、自分の甘えやおごりに気づくことができます。健康のありがたみを病気になって初めて気づくように、毎日同じことをくり返すことができることを「ありがたく」思うこともできるようになるのです。そうなれれば、心の「マンネリ」から脱却し、自然に“やる気”を起こすことにつながってくるのです。