リーダーは“空気”をつくれ!

よい行動をするリーダーが、必ずしもよい空気を作るとは限らない

2017.06.16 公式 リーダーは“空気”をつくれ! 第1回
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本当に“できる”リーダーは
「相手目線」を持っている

リーダーの立場になると、何かと「他のメンバーより優れていなければならない」「自分の方がやらなければならないと」などと思い込みがちです。特に現場の実務に関しては、こうした意識を持つ人が多いのが事実です。しかし、最初の事例のように、優れたリーダーは、結果的に無理を強いてしまう「弱音が吐けない環境」をつくり出してしまう場合もあります。これは「本音が言えない環境」であり、言い換えると「メンバーが弱みを見せられない環境」でもあります。これでは、「コミュニケーションが悪い組織」「助け合いがない組織」「ノルマが厳しすぎる組織」と、実はあまり変わりがありません。

この最初の事例に登場した“できる”リーダーに悪気はありません。むしろよかれと思ってやっているのですが、それが彼の問題点でした。「普通のメンバーはそんなに何でもできるものではない」ということへの理解が足りなかったのです。自分に厳しい人は、それが無意識であっても、他人にも同じことを求めてしまうことがあります。自分の基準で励ますばかりでなく、もう少しメンバーが甘えられる環境を合わせてつくっていればよかったのです。

これに対して、二つ目の事例にあった自称“できないリーダー”は、自分が万能ではないことや、劣っている部分があることを認め、自分にできることをメンバーの気持ちになって真面目に行うことで、結果的にはメンバーからの信頼を得ているのです。リーダーが自分の弱みを見せられることが、メンバーにとって「本音が言える環境」につながっているのでしょう。

もちろん、リーダーとメンバーそれぞれの性格やお互いの関係性、業界、仕事内容、組織風土などによって一概には言えませんが、重要なのは、きちんとメンバーの立場になって、メンバーの気持ちを考えることです。それが「リーダーが空気をつくる」という意味で、大切な第一歩といえるでしょう。そのためにもリーダーは、まずメンバーと本音で話し合える信頼関係をつくることから意識・実践するのをおすすめします。

次回に続く

 

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プロフィール

小笠原隆夫
小笠原隆夫

ユニティ・サポート代表・人事コンサルタント・経営士
BIP株式会社代表取締役社長

IT企業で開発SE職を務めた後、同社で新卒中途の採用活動、人事制度構築と運用、ほか人事マネージャー職などに従事。二度のM&Aでは責任者として制度や組織統合を担当。
2007年2月に「ユニティ・サポート」を設立し、同代表に。以降、人事コンサルタントとして、組織特性を見据えた人事戦略や人事制度策定、採用支援、CHRO(最高人事責任者)
支援など、人事・組織の課題解決に向けたコンサルティングをさまざまな企業に実施。
2012年3月より「BIP株式会社」にパートナーとして参画し、2013年3月より同社取締役、2017年2月より同社代表取締役社長。

著書

リーダーは“空気”をつくれ!

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