中学生になると、学校の軟式野球部に入部します。1、2年生のときは球拾いばかりやっていました。相変わらず足は速かったんですが、身長が低いこともあり、先輩には体格差やパワーで負けてましたね。
2年生の秋頃になってようやく、センターとピッチャーで試合に出るようになりました。低かった身長もその頃には168センチくらいまで伸びていて、ずば抜けて野球が巧いというわけではありませんでしたが、スタメンには入るようになりました。
チームはけっこう強くて、県大会ではベスト8まで勝ち上がりました。嬉しかったですね。まだ、プロを目指すとか、そこまでは考えていませんでしたが、非常に大きな自信にはなりましたし、この頃から野球の楽しさや“勝負”の楽しさに気付き始めたように思います。
高校は地元の大田原ではなく宇都宮の学校に進みます。これが一つの転機でしたね。きっかけは当時の同級生の誘いです。彼の兄が宇都宮学園の野球部にいて、彼自身もこの学校を志望していました。その宇都宮学園のセレクション(野球テスト)に、私も誘われたんです。
受けてみたら、運よく監督に気に入ってもらえて。中学でそこまで目立った実績を残したわけではなかったものの、足の速さや、バランスよく攻守をこなせたあたりが評価されたのではと思っています。
この時点でも、まだまだプロ野球は自分にとって遠い存在でしたね。考えたこともなかったです。ただ、せっかくチャンスをもらったわけですから、「ひとまず高校では野球に打ち込んでみよう。3年間くらい、とことん苦労してみてもいいじゃないか」という気持ちで、宇都宮学園へ行くことを決意したのです。