――若松監督は2001年に日本一になり、真中監督は2015年にリーグ制覇を果たしました。選手としての優勝と、監督としての優勝と、その喜びはどのように違いますか?
若松:選手のときは、とにかく「自分が頑張れば」という感じでしたね。でも、監督になったら「選手に頑張ってもらわなければ」という意識が強くなりました。だから、選手の体調やケガに対する気配りは強くなりましたね。
真中:率直に言って、選手時代は、たとえ優勝しても、そのシーズンに自分が関われなかったら、まったく楽しくないんですよ。故障で試合に出られなければ、勝っても何にも嬉しくないんです。やっぱり、自分がレギュラーとして頑張って勝って初めて嬉しいものなんです。
若松:それは、選手としての本音の部分だよね。
真中:はい。選手時代というのは結局、チームの優勝はもちろん嬉しいですけど、やっぱり自分が活躍してナンボなんですよ。でも、監督になるともうすべての試合が「自分が勝てばヒーロー」、そして「負ければ地獄」みたいな状況で戦っていますからね。
若松:だから、監督業は大変なんだよね。でも、その分、選手たちの喜ぶ顔を見ると、選手時代とはまったく別の喜びを感じますよね。
真中:そうですね。監督で味わう優勝の嬉しさっていうのは、またちょっと別格だなって感じがしますね。選手の喜んでいる顔を見たいとか、選手たちと優勝を分かち合いたい、味わわせてあげたいという思いがすごく強くなりましたね。だから優勝した瞬間はホッとしたというか、勝ったときの喜びは格別でしたね。