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「21グラムの巨人」と呼ばれる都市伝説が存在する。
インターネット上で真しやかに囁かれる噂の概要はこうだ。
2023年8月25日、南欧ミカドニア諸島タルタロス島のマドレーヌ旧石器時代(マグダレニアン文化)の遺跡から一体の巨大な石像が発掘された。
この奇妙な石像は用途不明の幾何学的な鎧としか形容出来ない何かを身に纏っており、その全長は68フィートにも達した。
既存考古学上どの偶像とも似てはいなかったその石像は発掘が進むにつれ重さが存在しない未知の物質で構築されている事が判明した。
石像をたった数人の発掘作業員だけで軽々と持ち上げる事が出来る程だったという。
しかし厳密に計量した所確かに重さは存在したとされる。
それはたったの21グラムであった。
文字数 307
最終更新日 2023.08.25
登録日 2023.08.25
ここはザイライシュ神星王国の最辺境に位置する幻村ハヂマリノ。
かつて世界を救った勇者の出生譚が残る村だ。
ハジマリノの少女・・・儀来補陀落 現象帝(クレオポタラ・フェノメノンファラオ)は平凡な家庭に産まれ育った村娘だった。
彼女は3才の誕生日、村の伝説に従い旅芸人一座「闇来也(アンライヤ)」へ入団する。
闇来也一座はガイライシュ魔王国の暗殺傭兵ギルドに起源を持つ賎民階級でもある。
文字数 219
最終更新日 2023.03.19
登録日 2023.03.19
日本各地に残る古史古伝。
歴史の表舞台には決して登場する事の無いこれら隠者の記す書にはある種の魔力がある。
ここに某神社で行われた廃仏毀釈の折、無惨にもカチ割られた秘仏頭部より発見された「冥代文献(めいだいぶんけん)」なる三巻が存在する。
聖徳太子によって幻視された未来記「天の巻」。
遥か天地創造から伝説までを記したとされる神代「地の巻」。
我々に馴染み深い英雄達の異様なる異聞を物語る人代「人の巻」。
この三巻からなる冥代文献は昭和初期に帝大による非公式の学術調査が行われた後に幕末に造られた精巧な偽書であると判定された。
所有者である某神社の強い意向によって学術調査も非公式なものとなりこの文書が世に出る事はとうとう一度も無かったそうだ。
文字数 3,378
最終更新日 2022.08.04
登録日 2022.08.01
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