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今よりも、遠い未来の地球。その一角にソレは在った。弓なりに広がるの壁は、数多の金属と機械で構成され、外界との接触を拒んでいた。
檻の中に住まう人々はソレを窮檻帝都”ガブリエル”と呼んだ。
いつ出来たのか? いつから在ったのか? 誰が建造したのか?
分からないことは多かったが、すべてがわからないという事は無かった。
ガブリエルには、人類を外界より守るという使命を課せられていた。
人々はソレを信じ、外界を恐れ、檻を信仰した。ソレが檻であることを理解できまいまま、考えることもせず、自分たちにとっての平和平凡な日々を矜持することだけを、ただひたすらに繰り返していた。
文字数 2,575
最終更新日 2018.06.22
登録日 2018.06.22
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